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週刊バッテリートピックス 「旭化成LIB実験成功」「米共和党議員が中国産電池にNO」など

 2024年6月4日~6月9日のバッテリー業界では、旭化成や3DCなどの電気自動車(EV)車載向けを視野に入れた電池関連の研究開発が活発だった。しかし、パナソニックエナジーが投資計画を見直rなど、現実には採算が合わない面もあるようだ。一方、米国では中国産電池への風当たりは強く、欧州では電池パスポートの導入が現実味を帯びてきた。

 

<国内>

●旭化成、低高温可能な電解液でのLIB実験に成功

 

 

  旭化成は6月7日、自社ホームページ上で、「同社開発の超イオン伝導性電解液を使用したリチウムイオン電池(LIB)のコンセプト実証に成功した」と発表した。超イオン伝導性電解液は低温や高温でも使用できる電解液で、電池性能の向上によってEV搭載電池のコスト低減にもつなげられるとする。電池メーカーなどに技術を供与し、2025年に実用化を目指す。

 

プレスリリース:リチウムイオン電池用超イオン伝導性電解液のPoCに成功、実用化に前進 | 2024年度 | ニュース | 旭化成株式会社 (asahi-kasei.com)

 

●パナエナジー、中期計画見直し 車載電池の不振で

 

パナエナジーのESGシンボル「やるしか」

(出所:パナソニックエナジー資料から)

 

 パナソニックホールディングス傘下で電池事業を手がけるパナソニックエナジーは6月6日、自社ホームページ上で、「中長期戦略の進捗と今後の方向性・取り組み」を発表した。2027年度までの投資計画は変更しないものの、2028年度以降の計画は市場環境に合わせ柔軟に対応するとした。2030年度に売上高を3兆円超にする目標は見直す。車載電池部門の目標が未達であったことを受けた。

 

プレスリリース:プレゼン (holdings.panasonic)

 

●名城ナノカーボン、韓国SKと資本提携 SKはシンガポール社も買収

 名城大学発ベンチャーの名城ナノカーボンは6月6日、自社ホームページ上で、「韓国大手財閥SKグループの素材会社であるSK Inc Materialと資本業務提携することで合意した」と発表した。SK側からの出資をもとに「LIB電池分野での協業」を進める。名城ナノカーボンは世界最高品質の「高結晶・高純度単層カーボンナノチューブ(SWCNT)」を独自の技術・ノウハウで製造・販売するスタートアップ企業として知られる。

 

プレスリリース:Meijonano (meijo-nano.com)

 

 SKは言わずと知れた韓国の財閥企業で、近年は電池関連への進出も目立つ。グループのSKエコプラント(旧SK建設)は2022年2月にIT(情報技術)機器のリサイクル事業を手掛けるシンガポールのTES(テス)を10億ドルで買収すると発表。2024年に手続きが完了し、SK TESとして再出発させた。

 

 

 TESは2005年の創立で、スマートフォンや家電製品に含まれる希少金属などを抽出して再資源化する事業を手掛けていた。SKはグループ内に車載電池大手のSKイノベーションも抱える。

 

●ホンダ、米国で新型燃料電池車の量産開始

 ホンダは6月6日、自社ホームページ上で、「米オハイオ州で、新型燃料電池車「CR-V e:FCEV」の生産を始めた」と発表した。米国で乗用車のFCVを量産するのは自動車メーカーで初めて。走行時に二酸化炭素(CO2)を出さない水素燃料を使い、自宅などで充電ができる新しいタイプのFCVで、2025年型モデルとしてアメリカ、日本で2024年中に発売する。

 

プレスリリース:「CR-V e:FCEV」の生産を開始~米国オハイオ州のPMCで生産し、米国と日本で発売~ | Honda 企業情報サイト (global.honda)

 

●3DC、5億8000万円を新規調達

 

 

 次世代電池の素材開発を手掛ける東北大学発スタートアップ、3DC(本社・仙台市)は6月6日、自社ホームページ上で、ベンチャーキャピタル(VC)の三菱UFJキャピタルなど8社を引受先とする増資で5億8000万円を調達したと発表した。調達資金は次世代カーボン素材「グラフェンメソスポンジ(GMS)」の製造体制の構築に充て、既存リチウムイオン電池の性能および寿命向上を目指す。

 3DCはリチウムイオン電池の高出力化や長寿命化につながる炭素素材を開発・製造する。これまでの累計調達額は各種助成金などを合わせて14億8000万円。

 

プレスリリース:【プレスリリース】プレシリーズAセカンドクローズで5.8億円を調達しました - 株式会社3DC

 

●JEFTAに新会長就任

   一般社団法人 電子情報技術産業協会(以下JEITA)は6月3日、新会長にパナソニックの津賀会長の就任を公表した。JEITAを取り巻く日本のデジタル産業の立ち位置と、地政学リスクを踏まえたサプライチェーンを含む経済安全保障の課題を示し、その上でJEITAとしての取り組みを説明した。

 

関連記事:JEITA新会長就任会見 Green x Digitalコンソーシアム国際標準化成果を次に生かしたい | MIRU (iru-miru.com)

 

<海外>

●米共和党議員グループ、「米社関連の中国電池企業を輸出禁止リストに」

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは6月6日、共和党議員グループが、「米フォード・モーターと独フォルクスワーゲン(VW)に関連する中国電池メーカーを米国への輸出禁止リストに加えるべき」と主張していると伝えた。生産過程で強制労働の疑いがあるためという。報道を受け、同日の米国株式市場では自動車株の一角に売りが出た。

 

●米ファクトリアル・エナジー、独ベンツに固体電池セルのサンプル納入

 

 

 米コーネル大発のベンチャー企業であるファクトリアル・エナジー(Factorial energy)は6月5日、自社ホームページ上で、「取引先の独メルセデスベンツに向けて、106+Ahのリチウム金属固体電池セルのBサンプルを納入した」と発表した。固体電池セルのBサンプル納入は世界初。

 

プレスリリース(英語):Factorial Delivers B-Samples of Lithium-Metal Solid-State Battery Cells to Mercedes-Benz | Business Wire

 

●ボルボ、EVバッテリーパスポートを独自導入へ 

 スウェーデン自動車のボルボ・カーズは電動SUV(スポーツタイプ多目的車)の旗艦モデル「EX90」に、世界初のEV(電気自動車)バッテリーパスポートを導入する。ロイター通信が6月4日に伝えた。

 パスポートは材料の原産地、部品、リサイクル素材、カーボンフットプリント(温室効果ガス排出量)を記録したもので、ボルボが英新興企業サーキュラーと5年余りかけて共同開発したという。欧州連合(EU)が2027年からバッテリーパスポートの搭載を義務付けるのに先行した動きとなる。

 

関連記事:欧州からの風:2024年4月#6 EU電池規則で設置されるバッテリーパスポートとは?① | MIRU (iru-miru.com)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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