【CEシンポ登壇企業紹介】静脈産業に信頼ありきのM&Aを―ベイニング株式会社

ベイニング(東京都渋谷区、庭月野賢秀代表)は、廃棄物処理やリサイクル、スクラップ業界などの“静脈産業”に強みを持つM&A助言・仲介企業。目先の成功報酬にこだわらない「信頼ありきのM&A」を信条とし、顧客に対し、中長期的な利益を提供している。
ここ数年、静脈産業は、後継者不足や競争環境の変化などを背景に、M&Aや提携が増加し、今後の業界の集約化・再編が注目されている。しかし、国内の静脈産業は中堅・中小企業が多いため、M&A戦略や資本政策の立案に割くコストや時間、人材が不足しているケースも多い。
庭月野代表はM&A助言や仲介業務、財務コンサルティングを通じて、このような課題を抱える静脈産業を支えたいと考え、2023年3月にベイニングを創業した。社名は英語の「Vein=静脈、筋道をつける」に由来。静脈産業に特化する意思と、経営者の意思決定の筋道をつける手助けをしたいという想いが込められている。
メンバーは静脈業界の企業価値評価やスキームの構築支援などM&A実務に長年携わってきた少数精鋭部隊。徹底的な業界特化を貫くことで、企業の経営方針や特徴に合わせた提案を実現している。顧客との継続的なリレーションの構築を何よりも重視しており、時には「M&Aをするべきでない」と提言することもある。M&Aは同社が提供するコンサルティング業務の一つの手段に過ぎない。
創業したばかりの企業でありながら、着実に実績を積み重ねており、24年4月には大栄環境(⼤阪府和泉市、金子文雄社長)による産業廃棄物収集運搬業者・栄和リサイクルの買収を支援した。大栄環境グループは同買収で関東エリアでの収集運搬能力を強化したほか、首都圏に中間処理施設を所有するグループ企業との連携によるシナジー効果の創出に成功している。
企業のホームページこそないが、取引先からの紹介案件が多く、運営に支障はないという。すでに静脈産業からの支持を獲得している同社の活躍に期待したい。
[代表取締役プロフィール]
庭月野賢秀(にわつきの・たかひで) 1982年生まれ、埼玉県出身、京都大学経済学部卒業。国内初のM&A助言ファームであるレコフでM&A仲介・助言業務に従事し、中小企業から大手上場企業まで多くのエグセキューション(実行・管理)業務を経験した。IRuniverseが10月9日に開催する第4回サーキュラーエコノミーシンポジウムのパネルディスカッションに登壇予定。
(IRuniverse K.Kuribara)
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