インド鉄鋼輸入の調査を求める鉄鋼省、 懸念の高まりに対処
インド鉄鋼輸入の調査を求める鉄鋼省、
懸念の高まりに対処
インド鉄鋼省は、特に中国およびベトナムからの鉄鋼輸入の急増に対応するための措置を講じている。国内の鉄鋼業界が直面している課題に対処するために、鉄鋼省は貿易省にこれらの輸入品を調査し、財務省に潜在的な措置を推奨するよう要請した。
鉄鋼輸入の急増と政府の対応
インドは世界第2位の粗鋼生産国ですが、2023年3月に終了した会計年度で純鉄鋼輸入国となった。最近の政府データによると、完成鋼の輸入は4月と5月に過去5年間で最高を記録しており、業界内で懸念が高まっている。JSW Steelなどの主要企業を含む鉄鋼業界は、輸入の増加に対応するための貿易措置について連邦政府と協議を行っている。
炭素税論争と国内の利益
同時に、鉄鋼省は欧州連合(EU)の当局者と協力し、炭素排出産業に対する税の引き上げを再考するよう促している。関連する開発として、インドは2050年までに温室効果ガス排出をネットゼロにするというEUの計画の一環として、高炭素商品(鋼、アルミニウム、セメントなど)の輸入に対する税の引き上げを提案するEUの提案を受け入れていない。この計画は昨年承認された。
コークス炭供給源の多様化
さらに、鉄鋼省は国内の製鉄所と協力し、製鉄に必要な重要な原材料であるコークス炭の供給源を多様化する取り組みを進めている。現在最大の供給国であるオーストラリアへの依存を減らすために、ロシア、カナダ、アメリカなどからの輸入を模索している。
インドの鉄鋼会社は年間約7,000万メートルトンのコークス炭を消費しており、その85%を輸入が占めている。一部のインド企業はモンゴルからのコークス炭の試験輸入も開始しており、JSW Steelや国営のSteel Authority of India(SAIL)などの企業が、長期にわたる交渉の末に出荷を受ける準備が整っていると報告されている。状況が進展する中、鉄鋼省および貿易省はこれらの問題に関するコメントにはまだ応じていない。
(IRuniverse, ZhangKasumi)----Global Reporter/Writer
Based in Beijing
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