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韓国の永豊グループCEOが逮捕 亜鉛精錬所での死亡事故頻発で

 韓国の検察が亜鉛業界にメスを入れ始めた。8月30日のロイター通信が「亜鉛大手などを運営する永豊グループ(Young Poong Group)のパク・ヨンミン(Park Young Min)最高経営責任者(CEO)が逮捕されたことが8月29日に分かった」と伝えた。同社が運営する石浦製錬所で、2023年末からガス曝露や熱中症を含む3件の死亡事故が発生したことが理由とみられる。

 

■2018年にも環境汚染で操業停止命令

 

 

(出所:JOGMEC)

 

 ロイターによると、パク氏はまだ正式に起訴されてはおらず、逃亡と証拠隠滅の可能性があることから検察側が逮捕状を取った。パク氏は一部容疑を否認しているとも伝わる。会社側は経営や生産に支障はないと述べたとも伝わった。

 

 永豊グループ傘下の永豊亜鉛の石浦精錬所は、2018年にも環境違反による操業停止命令を受けた。

 

関連記事:韓国の永豊石浦亜鉛製錬所の20日間の閉鎖でPPSが2か月連続で亜鉛入札 | MIRU (iru-miru.com)

 

 当時の操業停止の理由は、同精錬所が排出した汚泥から、基準を大きく上回るフッ素やセレンが検出されたこと。2014年ごろから付近住民による環境汚染の訴えがあり、2016年からは環境保護団体による付近の川や魚などのカドミウム汚染が指摘されるようになっていたが、会社側が資金力不足などを理由に対応を渋った経緯がある。

 それだけに、今回の死亡事故頻出には韓国国民の間でも失望感が強く、逮捕されたトップに対しても隠ぺいの疑念がくすぶる。

 

■高麗亜鉛の親会社、韓国亜鉛産業を実質支配

 

(出所:JOGMEC)

 

 永豊グループは亜鉛を主力とする韓国の大手コングロマリットだ。1949年の創業で、1960年代から中核企業の永豊亜鉛を通じ亜鉛事業を手掛けてきた。1974年に姉妹会社として高麗亜鉛を設立。現在の韓国亜鉛市場での占有率(シェア)は高麗亜鉛が首位、永豊が2位だが、永豊グループは現在でも高麗亜鉛の筆頭株主であり、事実上、韓国の亜鉛産業は永豊グループが独占していると言っていい。世界でも、2社で亜鉛生産シェアの10%近くを占める。

 近年はお家騒動も伝わるものの両社は70年以上にわたって原材料の共同購入など深いつながりを保ってきた。精錬所は永豊が石浦、高麗が温山でそれぞれ運営している。石浦精錬所は1970年代から操業する古い精錬所で、50年以上操業を止めたことがないとされていた。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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