中国GDP4.6%増 7-9月期、低迷続く 景気対策の効果はこれから、来週利下げも?
中国国家統計局が10月18日に発表した中国の2024年7-9月期の実質国内総生産は前年同期比4.6%成長した。伸び率は4-6月期の4.7%から鈍化し、2023年1-3月期以来の低い伸びとなった。不動産を中心に景気低迷が続く。中国当局は9月下旬から矢継ぎ早な景気対策を打ち出すが、効果が出るのは先とみられる。
2024年8月までの中国の主な経済指標
(注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計)
(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)
■内需不振が鮮明、不動産も9割下落
10月18日までに発表の9月の主要経済指標もさえない数字が並んだ。特に内需の落ち込みが目立ち、サービス業の数値である非製造業景況感指数(非PMI)が50ちょうどに落ち込んだ。消費者物価指数(CPI)も0.4%上昇とデフレぎりぎりの状態。小売売上高は前月からは改善したが、3%台の低い伸びが続く。輸入もほぼ伸びず、新車販売は4カ月連続のマイナスとなった。
内需不振の背景にある不動産も2ケタの落ち込みから浮上できない。不動産販売は、10月18日発表の主要70都市の新築価格が全体の9割超に当たる66都市で下落した。
前月から改善したのは製造業の景況感指数(PMI)や工業生産高。銀行融資も増え、製造業にはやや明るさも見えるが、卸売物価指数(PPI)は前月から大幅に落ち込んだ。
■今後は政策金利引き下げが焦点
中国当局は低迷する景気を回復させようと、9月下旬から景気対策を矢継ぎ早に打ってきた。10月17日には追加融資が受けられる住宅を増やすなど不動産対策を急ぐ。
今後の焦点は、まずは10月21日に発表の実質的な政策金利である最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)だろう。中国のLPRは毎月15日に発表の中期貸出制度(MLF)金利をもとに設定されるが、10月15日はMLFについての発表はなかった。7月にはMLF金利と無関係に利下げを行っており、さえないGDPデータが出た後だけに、政策金利の調整に動く可能性はある。
(IR Universe Kure)
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