アルテミラグループ アルミ缶リサイクルプラント増強――投資額5億円 脱炭素に弾み
アルテミラ・ホールディングスは15日、グループ会社のMAアルミニウムが操業するアルミ缶リサイクルプラント(静岡県駿東郡小山町)の年間処理能力を約15%増強し、およそ5万トンに引き上げると発表した。一部は先行実施しており、26年までに更新工事を完了させる予定だ。投資額は約5億円を見込んでいる。 UBCを原料に、新たなアルミ缶を製造する水平リサイクル事業の強化を通じ、エネルギー消費の多いアルミ地金からの切り替えを進めて脱炭素戦略に弾みをつける。
計画によると、UBC の解砕機と焙焼炉の更新が中心。解砕機は輸送効率を高めるために圧縮されたUBCの塊を砕き裁断片にする設備。更新により、処理能力の引き上げと同時に、別工程での処理が必要な高圧で圧縮された塊もそのまま投入できるようになるという。
焙焼炉はアルミ缶に印刷された塗料などを熱分解する処理設備で、同設備については25年1月の段階で、すでに更新を終えている。
アルテミラグループでは、UBCを再生し、新たなアルミ缶を製造する水平リサイクル事業を推進してきており、UBCの回収(アルテミラ・テクノソリューションズ)、前処理、溶解、鋳造、圧延によるアルミ缶用板材の製造(MAアルミニウム)、アルミ缶の製造(アルテミラ製缶)まで、グループ内で一貫して処理できる体制を構築しており、アルミ缶製品の約 4 割にこのリサイクルプラントで再生したアルミ材を活用している。
リサイクルプラントではグループ会社が回収した使用済みアルミ缶を細かく砕いて異物を除去し、燃焼・溶解を経て「スラブ」と呼ばれるアルミ塊を鋳造する。缶用材としてアルテミラ製缶が成形する。
UBC から再生アルミ材を作りだす際のエネルギー消費量は、ボーキサイトから新しくアルミ材を造る場合に比べ、エネルギー消費を97%削減できるという。
(IRuniverse G・Mochizuki)
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