10月の銅の概況及び11月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 9000-10000ドル ↑
建値 135万-159万円 ↑
為替 145~155円 (1か月間TTM) 円安
■国際概況
9月のISM非製造業景気指数 結果 54.9 予想 51.5 前回 51.5 、9月の米消費者物価指数(CPI) 結果 2.4% 予想 2.3% 前回 2.5%(前年比) など好材料もあったが中国大規模経済刺激策に対する期待の後退などを嫌気しDOWN
月末日 スタート価格から411ドルDOWNの9356ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
144.93 → 154.64(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比-10.1%の72万5577台
輸出は前年同月比-10.5%の34万8171台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+6.6%の25万9132台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,貸家が増加したが,持家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比0.6%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比3.0%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 68,548 戸。
・前年同月比 0.6%減, 5か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 5,223千㎡。
・前年同月比 2.3%減, 5か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 800千戸。
・前月比 3.0%増, 3か月連続の増加
出典 国土交通省統計
【伸銅品生産】
9月伸銅品生産量速報値は5万3,400トン、前年同月比0.1%増加した。
9月の伸銅品の生産量は、14品目中10品目が前年同月実績を上回った。
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比+2.7%の54200t
うち 国内-0.5% 輸出が +154.8%
出典 日本電線工業会
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 +6.9%の6万2287t
スクラップ -39.6%の2万510t
輸出推移
【輸入】
電気銅 -37.1%の295t
スクラップ +42.3%の1万3484t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比-10.1%の72万5577台
輸出は前年同月比-10.5%の34万8171台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+6.6%の25万9132台
【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,貸家が増加したが,持家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比0.6%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比3.0%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 68,548 戸。
・前年同月比 0.6%減, 5か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 5,223千㎡。
・前年同月比 2.3%減, 5か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 800千戸。
・前月比 3.0%増, 3か月連続の増加
【伸銅品生産】
9月伸銅品生産量速報値は5万3,400トン、前年同月比0.1%増加した。
9月の伸銅品の生産量は、14品目中10品目が前年同月実績を上回った。
自動車の需要が支えている。中国など海外を中心にEV生産が減り、国内でも一部のメーカの減産の影響があるが、EVに代わりハイブリッド車の生産が増えていることから、これが伸銅品の需要のプラス要因となっている。エアコンは、秋になっても暑い日が続き、まだ需要が残っているが、在庫消化が続いており、伸銅品の需要に直結して来ない。
銅条
同比2ヶ月ぶりプラス。自動車端子コネクタ向けは順調である。これまで足を引っ張っていた民生用リードフレーム向け需要も、在庫消化が進み今後回復の期待が高まっている。またデータセンターやサーバー向けの需要も良い。それ以外の産業用の半導体向けは回復が遅れている。
黄銅棒
同比2ヶ月連続マイナス。コロナ禍の頃の生産量も下回る。新規住宅着工件数が伸びない。リフォーム関係は引き続き非接触の水栓と温水便座向けの需要が伸びている。しかし、バルブ関係の需要が回復して来ない。また自動車向けは、引き続きデータ不正問題の影響を受けている。
【電線】
前年比+2.7%の54200t
うち 国内-0.5% 輸出が+154.8%
【輸出】
電気銅 +6.9%の6万2287t
スクラップ -39.6%の2万510t
【輸入】
電気銅 -37.1%の295t
スクラップ +42.3%の1万3484t
【見通し】
【自動車】
9月の自動車生産が-10.1%。10月国内販売台数が前年比+6.6%
販売が再び増加 生産は3カ月ぶり減少。
ここ数カ月増加減少を繰り返しておりコロナ挽回生産の目はなくこの水準での落ち着く。
【伸銅品生産】
9月伸銅品生産量速報値は5万3,400トン、前年同月比0.1%増加した。
9月の伸銅品の生産量は、14品目中10品目が前年同月実績を上回った。
自動車の需要が支えている。中国など海外を中心にEV生産が減り、国内でも一部のメーカの減産の影響があるが、EVに代わりハイブリッド車の生産が増えていることから、これが伸銅品の需要のプラス要因となっている。エアコンは、秋になっても暑い日が続き、まだ需要が残っているが、在庫消化が続いており、伸銅品の需要に直結して来ない。
【電線】
前年比+2.7%の54200t
うち 国内-0.5% 輸出が+154.8%
4カ月連続減少 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
銅建値が145万から149万へ上昇。
前月在庫分は伸銅品生産減 発生減から在庫薄
長期在庫分は相場の上昇により売らず買えずの膠着状態
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
●中国の景気動向
中国全人代での大規模景気刺激策期待、S&P5日発表した10月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.0と、前月の50.3から上昇し、3カ月ぶりの高水準となったことから中国経済を支える可能性が高いのではないか
●米大統領選
いわゆるトランプトレードは盛んになり流動資金が金属から抜け下落する可能性が高いの
ではないか、ただその後は景気回復期待から相場は戻ると予測。
これらを踏まえた今月の銅価格は 9000-10000ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~155円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては135万-159万円程度と予測。
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