工作機械工業会 受注速報 10月9.3%増1224億円と3ヶ月ぶり同月比増加
10月受注1224億円(同月比9.3%増)、3カ月ぶりに同月比増加
11/12の15時に日本工作機械工業会の2024年10月受注速報が開示された。10月受注は1224.19億円(同月比9.3%増、前月比2.3%減)と3カ月ぶりに同月比増加となった。10月としては2020年10月の820億円以来の低い数字に止まった。引続き力強さに欠ける展開となっている。なお確報は11/20公表予定。
内訳は外需が890.95億円(同月比13.6%増、前月比6.3%増)と大型受注が押し上げ要因となり3ヶ月ぶりに同月比増加となった。内需は333.24億円(同月比1.0%減、前月比19.8%減)と26ヶ月連続同月比減少、半期末比で前月比は大幅減で再度400億円割れとなり、国内については低調な数字が継続している。
鍛圧機械10月受注は同月比9.5%減165.32億円と2024年月次最低、21/5以来の低水準
金属加工機械である鍛圧機械の10月受注(11/11発表)は165.32億円(同月比9.5%減、前月比41.1%減)と、2カ月連続同月比減で本年2月の169.77億円を下回り本年最低額、21/5の162.48億円以来の低水準に落ち込んだ。国内が71.6億円(同月比36.7%減、前月比59.7%減)と2カ月連続で同月比30%超の減少、21/5の77.83億円以来の低水準に落ち込んだことが全体にも影響している。輸出は93.69億円(同月比34.7%増、前月比9.1%減)と同月比増も再度100億円割れに。北米2.4倍、インド2.0倍、東南アジア61.7%増、一方、欧州は21.6%減に。
機種別でプレス系が87.20億円(同月比24.7%減)で中・大型・超大型が減少、小型、油圧、フォーミングなど増加も補えず。板金系は78.13億円(同月比16.6%増)、パンチング59.0%増、レーザ・プラズマ3.8%増もその他は総じて減少。10月はサービス等を加えても236.74億円に過ぎず、本年最低額に止まる。
9月工作機器生産は1%減と22ヶ月連続減も主力ボールネジ、直動軸受は同月比2ケタ増
工作機械に関連する工作機器は、日本工作機器工業会11/11発表の24年9月生産額が131.14億円(同月比1%減、前月比22.4%増)と22ヶ月連続同月比マイナスと低迷が続いたが、前月比は上期末で大幅増に。この中で主力ボールネジは27.58億円(29%増)と23/6の27.79億円以来の数字、直動軸受も40.09億円(22%増)といずれも2カ月連続同月比増に。両製品とも工作機械はボトム形成の中で、回復が見えてきた半導体製造装置向けの受注回復の寄与を受けているとみられ、同月比プラスの定着が期待され、工作機器全体よりも回復が明確になろう。なお24年度上期は全体で747.70億円(同期比13%減)、主力のボールねじが147.74億円(1%増)、直動軸受は232.71億円(4%減に)。
米国9月工作金属加工機械受注は同月比14.6%増4.506億ドル、24年月次最高額に
11/11に発表された米国金属加工機械9月受注は4.506億ドル(同月比14.6%増、前月比24.0増)。9月は3月の4.275億ドルを抜いて24年月次最高額に。シカゴで9月に開催されたIMTSの効果も寄与したとみられる。最大のジョブショップからの受注が23/3以来の受注額となり、今後の受注拡大の鍵となるかもしれない。一方、航空宇宙向けは8月比1/3とボーイングのストライキなどが影響した模様で、10月も低迷見通しもストライキ明けの11月には急回復期待。
(H.Mirai)
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