11月の銅の概況及び12月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 8500-9500ドル ↓
建値 131万-156万円 ↓
為替 150~160円 (1か月間TTM) 円安
■国際概況
10月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.0と、前月の50.3から上昇し、3カ月ぶりの高水準となったこと中国全人代での大規模景気刺激策期待などの好材料もあったがトランプ次期米大統領政権による輸入関税引き上げ懸念、中国の全人代が開催されたが、景気刺激策が不十分との見方などを嫌気しDOWN
月末日 スタート価格から325.5ドルDOWNの8925ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
153.05 → 151,74(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると10月の自動車生産台数は前年比-0.3%の77万7569台
輸出は前年同月比-3.3%の37万154台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると11月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-2%の24万9842台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
10月の新設住宅着工は,持家が増加したが,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比2.9%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比2.7%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 69,669 戸。
・前年同月比 2.9%減, 6か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 5,399千㎡。
・前年同月比 0.9%減, 6か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 779千戸。
・前月比 2.7%減, 4か月ぶりの減少
出典 国土交通省統計
【伸銅品生産】
10月伸銅品生産量速報値は5万8,460トン、前年同月比4.8%増加した。3か月ぶりプラスに転じた。
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比+3%の56800t
うち 国内+2.6% 輸出が +28.4%
出典 日本電線工業会
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 +27.5%の6万2383t
スクラップ -3.8%の3万780t
輸出推移
【輸入】
電気銅 -70.1%の256t
スクラップ +79.5%の1万4269t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると10月の自動車生産台数は前年比-0.3%の77万7569台
輸出は前年同月比-3.3%の37万154台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると11月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-2%の24万9842台
【住宅着工戸数】
10月の新設住宅着工は,持家が増加したが,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比2.9%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比2.7%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 69,669 戸。
・前年同月比 2.9%減, 6か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 5,399千㎡。
・前年同月比 0.9%減, 6か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 779千戸。
・前月比 2.7%減, 4か月ぶりの減少
【伸銅品生産】
10月伸銅品生産量速報値は5万8,460トン、前年同月比4.8%増加した。3か月ぶりプラスに転じた。
需要概況は、自動車の需要が支えている。日本国内の自動車生産だけでなく、世界的にも日系の自動車の生産台数が増加しており、これが伸銅品の生産回復につながっている。スマートフォンも引き続き伸銅品生産のプラス要因となっている。ルームエアコンも夏を過ぎても良い状況にある。ただ、まだデジタル家電が回復して来ない。建設関係も人手不足など
銅条
同比2ヶ月連続プラス。自動車端子コネクタ向けは順調である。民生用リードフレーム向けも在庫消化から在庫補充のフェーズに進み、回復基調にある。
黄銅棒
同比3ヶ月ぶりプラス。新規住宅着工件数が伸びない状態が長期化している。ただ、リフォーム関係が、非接触の水栓や温水便座などを中心に堅調であることがプラスに働いている。またここにきて半導体設備関係も増えてきた。
【電線】
前年比+3%の56800t
うち 国内+2.6% 輸出が +28.4%
【見通し】
【自動車】
10月の自動車生産が-0.3%。11月国内販売台数が前年比―3.3%
販売が再び減少 生産は2カ月連続減少。
新規材料難の中 ここ数カ月増加減少を繰り返してこの水準での落ち着く。
【伸銅品生産】
10月伸銅品生産量速報値は5万8,460トン、前年同月比4.8%増加した。3か月ぶりプラスに転じた。
需要概況は、自動車の需要が支えている。日本国内の自動車生産だけでなく、世界的にも日系の自動車の生産台数が増加しており、これが伸銅品の生産回復につながっている。スマートフォンも引き続き伸銅品生産のプラス要因となっている。ルームエアコンも夏を過ぎても良い状況にある。ただ、まだデジタル家電が回復して来ない。建設関係も人手不足など
【電線】
前年比+3%の56800t
うち 国内+2.6% 輸出が +28.4%
小幅増加 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
銅建値が148万から1411万へ急落。
前月在庫分は伸銅品生産減 発生減から在庫薄
長期在庫分は相場の急落により売らず買えずの膠着状態
メーカーは材料難で買気はあるが値段合わず
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
●米の対中政策
60%の対中追加関税はトランプ氏の大統領就任(2025年1月20日)後、すぐに実行に移される可能性が高くGDP世界第2位の中国経済の失速は世界経済に多大な影響を及ぼす。
●米の金融政策
トランプ氏は選挙戦で、FRBの金融政策決定に「大統領が意見すべきだ」と言明しているがパウエル議長は7日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、トランプ次期大統領から辞任を求められても応じないと明言したことなどから混乱が続く
これらを踏まえた今月の銅価格は 8500-9500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は150円~160円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては131万-156万円程度と予測。
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