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マレーシア、鉱物開発法を見直しへ レアアース産業の発展視野、高官明かす

 マレーシアが1994年に成立した鉱物開発法の見直しに動いているようだ。マレーシア英字紙のThe Sunが12月2日、同国天然資源・環境持続可能性省(NRES)相のニック・ナズミ・ニック・アフマド氏の発言として伝えた。レアアースを中心とした希土類元素(REE)産業の発展を視野に、開発や管理を強化する。

 

■部門をまたいだチームで法整備へ

 

 

 

 

 報道によると、マレーシア政府内では既に法令見直しに向けて、部門をまたいだ対応チームが組成された。チーム内では、給付金の配布や環境保護との折り合いなどについて話し合われる見通しだ。マレーシアは、鉱業自体は政府の管轄だが、探査権などは各州政府に権限があるため、話し合いが必要という。

 

 マレーシアは近年、レアアースの開発に一段と力を入れている。法定機関の東海岸経済地域開発評議会(ECERDC)は11月下旬、マレーシア日本経済協会(MAJECA)と共同で、レアアースの開発と投資に関するセミナーを開催した。

 

関連記事:マレーシアでレアアース開発セミナー 東海岸評議委と日系団体、日本の技術活用で脱炭素へ | MIRU

 

 

■ 「下流化」「自国製」目指すも実現は遠く

 米地質調査所(USGS)の2019年のデータとして伝わったところでは、マレーシアのレアアース埋蔵量は3万トン程度と多くはない。ただ、同国には2010年代初めから双日と JOGMEC が出資して豪ライナス・レアアースがマレーシアに分離工場を設置。ほかに、主に中国向けに鉱石も輸出している。

 

 もっとも、現状はマレーシア側にとって本意ではない。マレーシアは2023年9月にレアアースの輸出禁止方針を示した。他の資源国とも共通する「単純な資源国から製造立国へ」の流れで、自国産業の振興を目指した。

 The Sunによれば、今回、アフマド氏はレアアース産業について現在の鉱石輸出は一時的なものだとしたうえで、「加工を含むすべての段階のレアアースの処理施設を国内に作るべきだ」と述べた。昨秋の方針表明の後、実現には結びつかず、「下流化」は難航している。

 

 ライナスを中心とした海外資本にもまだまだ頼らざるを得ない。報道によれば、アフマド氏はライナスについても「マレーシア産REEの炭酸塩を処理する道筋を示す用意があると聞いている」と話したという。

 ライナスは現在、豪州で採掘した鉱石をマレーシアに運び、軽希土類のネオジム・プラセオジム(NdPR)の酸化物や、重希土類のサマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ホルミウム(Ho)、テルビウム、ジスプロシウムの混合物(SEGH)を生産している。6月には、2025年からはテルビウムとジスプロジウムの分離生産も始めると発表した。マレーシア政府とライナスは一時対立していた時期があったが、マレーシアのレアアース産業はライナス抜きでは語れない現状がある。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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