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【年末企画・世界経済】 25年は米1人勝ちも危うさ、川上氏 円安は緩和か

 金融アナリストの川上敦氏のセミナー「Chuck Kawakamiの金融経済Now」の最新オンラインライブが12月13日に行われた。2025年の世界経済について川上氏は「米国の1人勝ちになりそうだがその米国も盤石ではない」と予想。2024年に比べ円安圧力は弱まりそうだが、世界景気全体も弱く、気を引き締めて新年を迎える必要がありそうだ。(図表はすべて「Chuck Kawakamiの金融経済Now」から)

 

■米失業率じわり上昇、減速要因はらむ

 

IMFの世界経済予想

 

 

 まず、世界通貨機関(IMF)の2025年の世界の成長率予測値は3.25%。川上氏は「中国は民間債務が巨額化しており相当厳しい状態。ユーロ圏も成長率の低空飛行から抜け出せておらず、当面、米国以外は良い材料に乏しい」と分析。2025年も米国の1人勝ちが続くと予測する。

 

米求人状況

 

 ただ、川上氏はその米国についても求人が弱含むなど「危うさも見える」と話す。2025年の米国は、「①循環的パターンからみて減速する時期である②トランプ次期大統領による景気刺激策(減税と金利引き下げ)並びに中国など諸外国への関税引き上げでオーバーヒートのインフレになる―-のどちらか」というのが川上氏の見立てだ。

 

■「投資→給与→消費」の好循環作れ

 日本経済についても本格的な回復は期待しにくい。最新データでは10月の求人倍率がやや回復するなど好転の兆しはあるものの、エネルギーや食品などを中心に物価が上昇しているため、景気回復は実感しにくい。銅工業生産も10月にやっとプラスになったが、受注は低迷したまま。川上氏は「投資の鈍さが低迷の源だ」として、「『投資増→給与増→消費増』の循環を作らないといけない」と話した。

 

日本企業の設備投資状況(日銀短観)

 

 

 ただ、物価高の要因でもある円安・ドル高は、2025年には一服しそうだ。原因は米景気に危うさが出てくるためで、ドルが下落するため円は相対的に高くなる。川上氏は「米景気減速となるなら、それ自体でドル安要因。また、米国が前述のようにオーバーヒートのインフレになれば、インフレが貨幣価値を下げる要因であるためやはりドル安になる」と述べた。2025年は少なくとも、2024年ほどは円安におびえる必要はなさそうだ。

 

■銅急伸は一服、VW株は既に倒産水準

 金属価格は、銅の値上がりに一服感が出そうだ。既に2024年秋以降は「海運なども同じだが、中国そんなに良くないねとがっかり感が出ている」(川上氏)のが現状で、銅相場がどんどん上がるわけではないもよう。川上氏はほかの金属についても「(中国の需要縮小を背景に)鉄鋼なども悪い」と話し、2025年も大きな飛躍は期待しにくいと示唆した。快進撃が見込まれる金相場についても慎重な雰囲気だった。

 

コモディティ(CRB)指数の推移

 

 ほかの商品相場も、CRB指数が既に頭打ちになるなど伸び悩み感が出ている。原油需給は供給過剰気味。原油相場はドル安に振れればドル決済であるため変数になる。

 株式は、2024年のアジア株は全般に悪く、欧州株も低迷した。特に独フォルクスワーゲンは「株価だけ見れば倒産してもおかしくない水準」(川上氏)だ。自動車大手の動向は材料となる金属相場にも影響が大きいため、2025年も引き続き注視が必要だろう。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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