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工作機械工業会11月受注確報 11月3.0%増1193.3億円と2カ月連続同月比増

11月工作機械受注は1193.3億円(3.0%増)と2カ月連続同月比増加

 

 12/25の15時に日本工作機械工業会の2024年11月工作機械受注確報が開示された。11月受注は1193.3億円(同月比3.0%増)と2カ月連続同月比増加となった。但し前月比は2.6%減と2カ月連続減、11月として2020年11月の886億円以来の低い数字に止まった。なお1~11月累計では1兆3420億円(同期比1.3%減)とわずかに前年割れ。

 

 

外需2.2%増850.0億円と2カ月連続同月比増加、3カ月連続で800億円超に

 

 外需は850.0億円(同月比2.2%増、前月比4.6%減)と2カ月連続同月比増、3カ月連続800億円台をキープした。主要4業種では自動車、電気・精密が同月比増加、前月比では自動車と航空・造船・輸送用機械が増加した。一般機械は225.6億円(同月比14.5%減、前月比10.2%減)と3カ月ぶり230億円割れ。自動車は217.5億円(同月比13.3%増、前月比14.0%増)と主要3極で増加し8か月ぶりの210億円超に。航空・造船・輸送機械は74.2億円(同月比13.2%減、前月比34.9%増)と2カ月ぶりに70億円超に。電気・精密は131.9億円(同月比53.3%増、前月比40.5%減)と前月のアジアの大型受注の反動減で2カ月ぶりに200億円割れに。

 

 主要3極別ではアジアが424.5億円(同月比26.0%増、前月比14.9%減)と、大型受注の反動減も8カ月連続400億円超え。中国293.2億円(同月比33.0%増)と8カ月連続で300億円超と高水準を維持。中国の主要4業種では航空・造船・輸送用機械を除き同月比増。一般機械85.9億円(16.8%増)、自動車116.4億円(56.3%増)、電気・精密49.4億円(17.1%増)に。中国の工作機械NC化向上促進への補助金が継続、一部スマホ向けなども回復しているも全体での盛り上がりではないとのこと。その他アジアも105.8億円(同月比41.4%増、前月比42.8%減)とベトナム、インドの大口受注の反動減も4カ月連続100億円超を確保。北米は262.4億円(同期比1.7%減、前月比23.7%増)。このうちアメリカは235.8億円(同月比0.3%増、前月比35.3%増)と4カ月ぶりに増加、6ヶ月ぶり230億円超に。米国の主要4業種では電機・精密、航空・造船・輸送用機械が同月比増加。電気・精密が29.6億円(2.1倍)と健闘、航空・造船・輸送用機械は大口受注で42.8億円(16.1%増)に。自動車30.3億円(23.5%減)、一般機械61.3億円(22.9%減)と、一部大統領選後の様子見、景気後退懸念で受注が改めて下降局面に入った可能性も。欧州は144.2億円(同月比46.1%減)と11ヶ月連続同月比減。ドイツ27.8億円(同月比47.3%減)と12ヶ月連続減、イタリア17.0億円(同月比14.4%減)と14カ月連続減少。主要業種4業種では航空・造船・輸送用機械21.0億円(24.9%増)のみ同月比増。自動車22.4億円(8.5%減)、一般機械29.5億円(57.6%減)、電気・精密16.1億円(17.6%減)なは景気減退影響、特にドイツは自動車大手の不振が影響している模様。

 

 外需全体ではアジアが押し上げ、米州は不透明感、欧州はEU不振継続で、全体として3か月連続で800億円超を確保。アジアについては中国での対米摩擦対応での駆け込み需要増、補助金依存で継続性は不透明、一方、中国以外は米中摩擦による中国以外での代替生産投資の活発化などで当面好調継続可能。米州はトランプ外交次第でメキシコ、カナダなどが悪影響を受ける可能性もあり、日系ユーザ向けに不透明感増す。欧州はEV投資の減退影響が不安の種。全体として欧米の景気減速感もあり内需と比較し健闘しているものの先行き不透明要素が多い。

 

 

内需は343.3億円(同月比5.0%増、前月比2.7%増)と27ヶ月ぶり同月比増

 

 内需は343.3億円(同月比5.0%増、前月比2.7%増)と27ヶ月ぶりに前年同月比増となったが、2カ月連続350億円割れ。主要4業種は同月比で一般機械、電気・精密が増加。一般機械は161.2億円(同月比26.4%増、前月比19.2%増)と2カ月ぶりに160億円超に。JIMTOF効果もあり前月比増加も水準は低く、需要は弱い。電気・精密は40.6億円(同月比37.3%増、前月比3.2%減)で半導体製造向けなど勢いは今一つ。航空・造船・輸送用機械は10.7億円(同月比50.1%減、前月比56.8%減)と8カ月同月比減で、一服。自動車は55.6億円(同月比32.0%減、前月比185%減)と5ヶ月連続同月比減少、2020年8月の51.5億円以来51カ月ぶり60億円割れで24年度に入り2カ月連続最低額。全体で物足りない数字で内需の弱さが継続。11月はJIMTOFが開催されたが、入場者数の割に受注成約増に結びついていない。内外ともにリスク要因、不透明感が強く、特に自動車ではEVの不透明、ホンダ・日産持ち株会社化などの動きもあり一段の投資先送り懸念もあり、工作機械受注の本格回復の後ずれの見方が出ている。

 

 

2024年1~11月累計は1兆3420億円(同期比1.3%減)と前年同期に及ばず

 

 1~11月累計受注は1兆3420億円(同期比1.3%減)と前年同期比減が続いている。工業会2024年予想は1兆5000億円(前年比0.9%増)予想であり、この達成には12月に1580億円(同月比24.3%増)が必要で、現状で見る限り達成は難しく、昨年同様の1兆1865億円を達成するにも1445億円(同月比104.5%増)と本年3月の13557億円をける必要があり、現実的には1兆4800億円(前年比0.4%減)程度の微減での着地となるとみられる。

 

11月販売2.9%減1245億円、受注残は3.4%減の7700億円と3カ月連続8000億円割れ

 

 11月販売は1245億円(同月比2.9%減)と2カ月連続同月比減。受注残高は7700億円(同期比3.4%減)と18ヶ月連続同月比減、3カ月連続で8000億円大台割れとなる。1~11月累計販売は1兆3578億円(6.9%減)と2024年はマイナス販売で着地しよう。

 

 

工作機械4社受注動向 受注速報11月16.4%増と6カ月連続同月比増で工業会上回る

 

 12/10の日刊工業新聞に2024年11月の工作機械4社の受注速報が開示された。11月受注は345.29億円(同月比16.4%増)と6カ月連続同月比増となり、日本工作機械工業会受注の伸びを上回って推移している。

 

 4社全てが同月比増加を記録した。牧野フライスが99.55億円(13.7%増)と5カ月連続同月比増。輸出が72.55億円(7.9%増)と、中国のNEV関連向けが下支え。国内も27.0億円(33.1%増)と5カ月連続増も、水準は低い。ツガミも95.09億円(31.9%増)と2ケタ増。中国中心の輸出が89.66億円(34.6%増)と3カ月連続拡大。市場全体は不透明感も超精密加工向けなどで強みを発揮も、継続性は不透明とのこと。オークマは130.95億円(9.0%増)と唯一1ケタ増に止まるも2カ月連続同月比プラス。輸出が80.57億円(5.5%増)と中小企業が堅調、中国向けEV、米国は航空機向けなども堅調、国内は中堅企業向け拡大し50.38億円(15.1%増)に。芝浦機械は19.70億円(16.6%増)で、国内が大型堅調から15.93億円(48.9%増)、一方で海外3.77億円(39.2%減)と一服。

 

 

工業会1~3月見通しアンケート調査結果は受注回復先送り見通しの可能性を示唆

 

 工作機械工業会が12月上旬に実施した2025 年1~3月受注動向見通しアンケート調査では、25年第41四半期は受注見通しとして厳しく見る意見が増加、受注の先送りもしくは減少懸念見通しに変化している。内需の弱さに加え、外需も欧州の低迷の長期化、世界景気のスローダウンなどの影響に加え、トランプ政権の米国外への関税強化、EV停滞なども影響しているものとみられ、力強さに欠ける展開に終始しそうな状況と言えよう。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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