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トラックにもEV・FCVの波―スマート物流EXPO

 一般乗用車だけでなく、産業用トラックにおいても、EV(電気自動車)や水素燃料電池自動車(FCV)の普及の波が確実に広がりつつある。東京ビッグサイト(東京都江東区)で22~24日にかけて開催中の展示会「スマート物流EXPO」では、EVトラックやFCVトラックを展示したZO MOTORS やCJPTのブースが注目を集めた。燃料の補給時間やその補給場所などの課題は未だ多いが、各社メリットやデメリットを見極め、利用シーンを限定すれば、導入のタイミングは既に来ているのかもしれない。

 

 

整備性と安全性を追及したEVトラック「ZM6」

 

 

 ZO MOTORS(東京都中央区)は整備性と安全性を追及したEVトラック「ZM6」を出展。短中距離の物流事業をターゲットとした新たな提案を行った。同車両は安全性に優れたリン酸リチウムイオン電池(LiFEPo4)を採用したうえで、液冷の冷却システムを活用し高い安全性と寿命を向上させた。バッテリーサイズは81.14kWhで、1回の充電で180㎞の走行が可能となる。従来のトラックに近いレイアウトとし、整備がしやすい点も強みといえる。

 

 同社担当者によれば、ドライバーの快適性も同車両が支持されている理由の一つだという。EV車両はガソリン車と比べ振動が比較的少ないことは知られているが、ZM6は運転席シートでも快適性を追求している。人間工学に基づき、肩甲骨や骨盤付近を面で支え、有効クッション長を伸ばし、疲れにくい着座姿勢の確保に貢献する。

 

 

 

「ZM6」に搭載されたバッテリー(左)と内部

 

 

 また、長距離走行時に疲れが出始めてきた筆者としては、衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)や車線逸脱警報装置(LDWS)などドライバーの安全走行をアシストする先進機能が標準装備されている点も高く評価したい。ドライバーの人材不足問題の解決にもつながることが期待される。都市内かつ中短距離に限定した物流網であれば、導入のメリットはかなり大きいといえる。

 

 一方、いすゞ自動車や日野自動車、トヨタ自動車、スズキで構成されるCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT、東京都文京区)はFC小型トラックを展示。同車両の展示とともに東京都のFCトラック導入における支援制度などの環境面の進捗状況についても併せて紹介した。

 

 

 

CJPTのFC小型トラック(左)と同車両に搭載された水素タンク

 

 同車両は高圧水素タンク10.5kgを搭載しており、260㎞の走行が可能。全長6700×全幅2200㎜×全高3395㎜のコンパクトなボディで積載量は2950kgを誇る。燃料の補給時間が30~40分となっており、EVと比べて短い点も利点といえる。定員は3人。

 

 現在は試験的な販売・導入に限っての普及となるが、ダイドードリンコの自販機補充業務や日本通運の引っ越し輸送業務など、様々な産業での実績を積み重ねている。

 

 性能は十分な水準に達しているFCV。普及のカギはやはり水素ステーションの設置にあるだろう。CJPTによれば、都内の水素ステーションは2025年1月時点で整備中も含め23カ所。うち、小型トラック対応のSTは18カ所となった。特に東南部に集中しており、同地域の配送であればすでに導入環境は整っていると判断できる。さらに東京都ではFCトラック導入と燃料費を助成する支援制度が整っており、ガソリン車と同等の費用で購入できる環境となっている。

 

 経済産業省としても水素燃料の普及には力を入れており、今後は東京都以外でも都市圏をはじめとして徐々に水素社会の実装に向けた取り組みが進んでいくとみられる。愛知県では水素関連施策の司令塔の役割を担う部署として「水素社会実装推進室」を設置。GX経済移行債による支援等を獲得しながら取り組みを広げている。24年6月地点で水素ステーション設置数は35カ所と全国で最も多く、今後のFCトラックの普及状況に注目していきたいところだ。

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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