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中国、鉱物採掘で途上国支配 20年間に9兆円投資 米エイドデータ最新リポート

 米調査機関のエイドデータ(AIDDATA)は1月28日、鉱業を通じた中国による発展途上国支配についての新たなレポートを発表した。それによれば、中国は2000年-2021年に、19の低所得国の鉱業に対して、約570億ドル(8兆8000億円)の援助と補助金付きクレジットを提供した。重要鉱物の管理を発展途上国支配に結び付ける様子が浮かび上がった。

 

■加工より抽出、銅が大好き

 

 

プレスリリース:Power Playbook

 

中国の鉱業投資の概況

 

 レポートは、165の低所得国と中所得国における銅、コバルト、ニッケル、リチウム、REEの抽出と加工事業に対する中国の公式セクターの金融コミットメントを体系的に追跡して作成された。そこで分かったことは、中国は

 

  1. 中流の加工活動よりも上流の抽出業務を優先
  2. 銅への投資が多い。近年はリチウムへの投資を増やしている

 

 などの投資行動の特徴がある。また、これらの投資の多くは合弁事業ではあるものの、鉱業への投資は他の分野への投資に比べ中国側がオーナーとなる比率が高く、投資先の発展途上国政府の権益が脅かされがちだとも指摘した。

 

中国の鉱物別の投資状況

 

発展途上国の投資プロジェクトのオーナー状況

 

 エイドデータは、「低所得国および中所得国における重要鉱物事業に対する融資および助成金の約束は不透明で、文書化が不十分だ」とも指摘した。

 

■重要鉱物サプライチェーンをコントロール

 鉱業を通じた中国による発展途上国囲い込みの動きはかねて指摘されてきた。代表的なのが銅とコバルトの採掘を通じたコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)支配のケースだ。鉱山への投資誘致が、物流や水利といったインフラにまで中国資本を呼び込む呼び水となり、政治的な影響力も増しつつある。コバルトは価格も、中国企業による大幅増産によって構造的な供給過剰になり、低迷している。

 

関連記事: 中国、コンゴを囲い込み 国有2社が70億ドルのインフラ投資、コバルト生産は世界首位 | MIRU

 

  エイドデータは「中国は豊富な外貨準備を使って、ネットゼロに向けた必需品である重要鉱物のサプライチェーン(供給網)をコントロールしようとしている」と指摘する。また、「その行動はこれまで、国際市場で公になることがない『影の影響拡大』だった」と述べ、「中国は西側の規範ではなく独自のプレイルールに従って行動している」とも指摘した。

 

(図表はいずれもエイドデータの発表資料から)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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