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プライマリーより高く売れる再生貴金属―ARE・東浦社長

会場には多くのCPs会員が来場した

 

 経済産業省が11日に開催したCPs(サーキュラーパートナーズ、通称:シーピーズ)の第3回総会では、ガバニングボード(運営委員)によるパネルディスカッションが行われた。第1部では、AREホールディングスの東浦知哉社長がパネラーとして参加。資源循環や脱炭素を支持する社会情勢を受けて、貴金属リサイクル事業が成長基調にあると強調した。

 

[参考記事] 領域別WGの新規追加を表明―CPs第3回総会(リンク付け)

 

 

 東浦社長は金や銀、プラチナ、パラジウムなどの貴金属リサイクル事業が近年好調であり、「昨年の会合では年間30トンを再生(リサイクル)で作っていると申したが、今年はおそらく40トンに達する」と強調した。生産額に換算すると6000億円に及ぶという。

 

 東浦社長によると、“欧州の宝飾のハイブランド”や“”日本に本社を置くグローバルな自動車メーカー”がリサイクル由来の金やプラチナ、パラジウムを強く求めており、自然鉱山から直接採掘されたプライマリー貴金属よりも高い単価で販売できることで高い収益が確保できているとのことだ。同氏は「我々の資源循環の工場はフル回転しており、キャパシティの限界が近い」とその需要の大きさを示唆した。

 

 取引先がリサイクル由来の貴金属を欲しがる理由についてはCO2の排出量の抑制効果を挙げていた。プライマリーの金や白金の生産で排出されるCO2を100とすると、同社が茨城県の工場でリサイクルする際の排出量はわずか「2」。その環境負荷の低さから「(単価が)少し高くても買ってくださるという好循環になっている」ようだ。

 

 また、東浦社長が取引先に直接その理由を追求したところ、資源循環を重視する機関投資家や社員の存在も大きな要因になっていたと明かした。フランスのある機関投資家は「ESGに向けた努力がない企業には投資できない」と明言しているほか、大手取引先で働く優秀な社員が社会への貢献性を重視することから、企業の活動方針としてもサーキュラーエコノミーを無視できない背景があると同氏は説明した。

 

 一方、同社の産業廃棄物事業が苦戦していることにも言及した。産業廃棄物は複合素材が多く、それらは解体や再生を考慮した仕様ではなく、「複雑に絡まった糸を1本の糸に解くのと同じくらい難しい」ため、「再生のハードルはかなり高い」と見解を示した。リチウムバッテリーのリサイクルにおいても、低価格で大量生産された外国製のバッテリーが市場に多く出回っているが、現状として適正な分別がされておらず、運搬時に爆発するケースもあると警鐘を鳴らした。

 

 貴金属リサイクル同様に産業廃棄物処理やバッテリーリサイクルに価値を見出すステークホルダーが増え、問題解決が少しでも早まることを期待したい。

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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