領域別WGの新規追加を表明―CPs第3回総会

経済産業省は11日、東京都千代田区の新東京ビルでCPs(サーキュラーパートナーズ、通称:シーピーズ)の第3回総会を開催した。第1会場だけでは収容できないほどの大勢の会員企業らが参加する中、活動実績や次年度以降の活動方針の報告、ガバニングボード(運営委員)によるパネルディスカッション、会員企業のプレゼンテーションなどを実施した。ビジョン・ロードマップ検討ワーキンググループでは領域別WGの新規領域追加の方針も発表した。
CPsは2023年3月に策定した「成長志向型の資源自律経済戦略」に基づき、サーキュラーエコノミーの実現を目指して同年9月に発足した産官学の連携を促進するためのパートナーシップ。企業・業界団体・自治体・関係機関など630以上の企業・団体が参画しており、IRuniverseも名を連ねている。
冒頭挨拶に登壇した経産省の龍崎孝嗣GXグループ長は、「ヨーロッパなどのグローバル企業では。脱炭素に続く参入障壁の新たな手段やブランド価値向上のツールとして上手く使い始めている」と報告したうえで、「我が国もこうした状況変化に対応していかなければ、グローバルサプライチェーンから排除されるほか、マーケットに算入できなくなる恐れがある」と指摘。経産省として、質の高い再生材の需要と供給の好循環をもたらす仕組みや、再生しやすい製品設計の認定制度など会員のサーキュラーエコノミーの取り組みを後押しする施策を進めていく方針を改めて示し、会員企業に対し、継続した協力を求めた。
龍崎グループ長
CPsでは▽ビジョン・ロードマップ検討WG▽サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォームWG▽地域循環モデル構築WG――の3つのWGに別れ、議論が行われており、日本のサーキュラーエコノミーに関する方向性を定めるビジョン・ロードマップ検討WGではさらに5つの領域別WG(鉄鋼、プラスチック容器包装、清涼飲料水のPETボトル循環、電機・電子製品、建築)が設置されている。
ビジョン・ロードマップ検討WGの報告を行った細田衛士座長(東海大学副学長)は、次年度の領域別WGについて、「今年度設置した領域での継続検討を行いつつ、新規領域を追加する」という方針を明示した。新規領域については4月に募集を行い、2~3領域を採択したのち、5月から議論を開始する計画とのこと。
既存の5領域については、事務局が継続議論を必要と判断した領域のみ、来年度以降(5月以降)も引き続き議論を行うという。その後、8月までにロードマップを策定し、その実現に向けた具体的な取り組みを推進していく方針だ。年度後半には検討結果やモニタリングを踏まえた、ビジョンやロードマップ、KPIの見直しにも着手する。
なお、パネルディスカッションなどの様子は後日記事化予定。当日の写真は事務局の許可が取れ次第、更新する。
(IRuniverse K.Kuribara)
関連記事
- 2025/08/04 猛暑日本に! ヤード条例に! SDGs時代にFRP素材のエコ敷板 宏幸
- 2025/08/04 欧州からの風:July 2025 「ドイツ、遠隔操縦車両の公道走行を認める新規制を制定」
- 2025/08/02 企業価値向上を図るために 三和油化工業のあくなき挑戦
- 2025/08/01 NEDO CO2分離・回収型IGCCの調整能力向上を図る技術開発の実証試験を開始
- 2025/08/01 (株)タケエイでんき 太陽光発電施設『真岡発電所』売電開始
- 2025/08/01 欧州からの風:July 2025 「BASF・CATL、正極活物質の共同開発で提携強化」
- 2025/08/01 欧州からの風:July 2025 「EU電池サプライチェーンの現状と中国への依存」
- 2025/07/31 JEPLAN、田中貴金属グループと脱炭素・循環型社会実現に向け事業提携発表
- 2025/07/31 【貿易統計/日本】 2025年6月の廃プラスチック輸出入統計
- 2025/07/31 昭和通商 農水省プラ代替資材導入推進事業に認定!生分解性樹脂リサイクルプロジェクト