中国GDP5.4%増 1-3月、駆け込み輸出で製造業改善、不動産は再度悪化・指標一覧
2025/04/16 14:12
中国国家統計局が4月16日に発表した中国の2025年1-3月の実質国内総生産(GDP)は前年同期比5.4%成長だった。2024年10-12月期から横ばいで、2024年通年(5.0%成長)を上回った。輸出の好調に伴い製造業が回復し、消費も減退ムードが和らいだ。ただ、前月に改善した不動産開発投資は再度悪化。物価も下落し、デフレ懸念も漂う。
2025年の中国の主な経済指標
注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。GDPは四半期。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計
(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)
中国政府は3月上旬の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で2025年のGDP成長率の目標値を「5%前後」とし、1-3月期は目標を上回った。米関税を見越した駆け込みで輸出が大幅に増え、製造業のデータが相次ぎ改善。工業生産高は2021年6月以来、製造業景況感指数(PMI)は2024年3月以来の大きな伸びとなった。消費も回復し、小売売上高の伸びは2023年12月以来の大きさだった。
一方、不動産開発投資は1-3月期に前年同期比9.9%減と、減少率が1-2月の9.8%減から小幅に悪化した。卸売物価指数(PPI)の下落幅も拡大し、消費者物価指数(CPI)の上昇率も小幅だった。
中国はトランプ米政権と関税の応酬を展開している。4月以降は輸出入の大幅悪化も予想され、特に輸出に下支えされた製造業が再度悪化する可能性は高い。不動産の低迷とデフレという根源的な問題が解決されない中、3月の景気回復は一時的となる恐れがある。
(IR Universe Kure)
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