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タングステン市場近況2025#5 上昇、APT400ドル乗せ 鉱石なくなりスクラップも品薄

 2025年5月のタングステン市場は上昇している。ベンチマークであるングステンAPTの国際価格は5月22日に仲値$415/MTUと、2013年10月以来およそ11年7か月ぶりに節目の$400台に乗せた。中国当局が2月にタングステンを輸出規制対象に加え、中国からの供給が途絶えている。スクラップも含めて品薄感が強まっている。

 

■中国、3月のAPT輸出はゼロ

 

過去3か月間のタングステンAPT価格の推移(EU Free market)($/MTU)

過去15年間のタングステンAPT価格の推移(EU Free market)($/MTU)

 

 タングステンとモリブデンに関する中国の専門プラットフォームであるmollychina の4月月報によると、3月は三酸化タングステンやAPTなど一部の輸出がゼロになった。日中間のタングステン貿易を扱う中堅商社の幹部も「APTの輸出認可は下りていない」と話す。中国国内でも資源枯渇に伴うタングステン鉱石の品質低下や環境問題などを受けて政府が生産を統制しているため、中国国内のAPT価格も上昇しているという。

 

■タングステンバーとフェロタングステンが節目越え

 ほかの形状のタングステンもAPTに追随し上昇している。タングステンバーと鉄鋼向けのフェロタングステンは、それぞれ節目の$50を回復した。

 

過去3か月間のタングステンバー価格の推移(w-4 99.9% China)($/kg)

過去3か月間のフェロタングステン価格の推移($/kg)

 

 APTに追随しやすい酸化タングステンも同じ動き。タングステンカーパイトも毎週のように値を上げた。

 

過去3か月間の酸化タングステン価格の推移(Wo3 99.99%min FOB China)($/MTU)

過去3ヵ月間の炭化タングステン価格の推移(99.7%min 2.5-7.0um Fob China)($/kg)

 

 

 

 

■鉱石「どこにもない」で上昇

 鉱石価格も上昇している。4月に一時弱含んだ中国の鉱石価格は5月に入り毎週のように値を上げた。国際価格は3月初めから2か月ほど値動きがなかったが、やはり5月に入り上昇している。市場では「タングステン鉱石はどこにもない」(タングステンを扱う日系商社幹部)との悲鳴が上がり、中国内外で供給ひっ迫感が強まっている。

 

過去3か月間の中国内外のタングステン鉱石価格の推移(WO3 65%) ($/MTU) (RMB/mt)

 

 

 中国国内でも生産が滞る中、中国が加工目的でスクラップを輸入し始め、スクラップも世界的に取り合いになりつつある。ただ、超硬向けを中心に最終需要は弱く、「需給は奇妙にバランスしている」(日系商社幹部)との指摘もある。

 

過去3か月間の純タングステンスクラップ価格の推移(99% of Japan)($/kg)

 

(IR Universe Kure)

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