JX金属、豪州ミネラルサンド鉱床開発へ20億円超の大型拠出契約締結
JX金属株式会社(社長:林 陽一)は、オーストラリアの RZ Resources(Founder & ExecutiveChairman:David Fraser、以下「RZ 社」)が 100%権益を所有して現在フィージビリティスタディ※1 を実施しているミネラルサンド※2 鉱床の Copi PJ(以下「本プロジェクト」)に、段階的に 2,000 万豪ドル(約 18.5 億円)を拠出して権益を 5%取得する契約を締結した。なお、追加拠出 500 万豪ドル(約 4.6 億円)および権益転換付ローンとして 500 万豪ドル(約 4.6 億円)を更に拠出する可能性があるとも発表。本プロジェクトでは今後、さらなるフィージビリティスタディや環境影響評価を進めていくとの事である。
同社の策定した「2040 年JX金属グループ長期ビジョン」においては、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針としている。同ビジョンでは、半導体材料セグメントおよび情報通信材料セグメントからなるフォーカス事業を成長戦略のコアとする一方、基礎材料セグメントからなるベース事業は、最適な規模の事業体制の下、銅・レアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支える基盤として位置づけている。このうち、特にレアメタルは先端半導体に欠かせない原料であり、JX金属グループの半導体材料の製造・開発に使用されているが、その希少性や遍在性から世界的に争奪競争が激化しており、必要量の安定確保が喫緊の課題となっている。
こうした中、RZ 社が 2017 年から実施している本プロジェクトの調査の結果、ジルコン、モナザイト、イルメナイト、ルチル等、フォーカス事業で使用するレアメタル・レアアースを含む多様な鉱物を長期に亘り確保できる有望な鉱山となる可能性が明らかになったとの事である。また、本プロジェクトは地政学的にも安定したオーストラリアの南東部に位置し、航路含む輸送インフラも整っている。本プロジェクトは、比較的少ない投資規模で、JX金属グループのサプライチェーンをより強固にし、フォーカス事業の基盤強化および競争力強化に資する可能性があると考え、この度本プロジェクト参画に向け、RZ 社との契約締結を決定した模様。
これからも「2040 年JX金属グループ長期ビジョン」で掲げる「技術立脚型企業」への転身に向けた施策を推進し、先端素材で社会の発展と革新に貢献するグローバル企業を目指していくと表明した。
※1 フィージビリティスタディ;プロジェクトなどの実現・開発可能性を調査・検証すること。
※2 ミネラルサンド;重鉱物が水流の作用に濃集した砂鉱床のこと。
(参考1)
Copiプロジェクトの所在地
Copiプロジェクト鉱区
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