DOWAホールディングス、日本製紙と共同でラウンド輸送の本格使用へ
7月22日、DOWAホールディングス株式会社(東京都千代田区外神田四丁目14番1号 資本金:364 億円 社長:関口 明)子会社のDOWAエコシステム株式会社(同所 資本金:10億円 社長:矢内 康晴 以下、DOWAエコシステム)と、日本製紙株式会社(東京都千代田区神田駿河台4-6 資本金:1,048億円 社長:瀬邊 明 以下、日本製紙)は、持続可能な物流体制の構築に向け、業界の枠を超えた動脈物流*1と静脈物流*2の連携によるラウンド輸送*3を2023年から運用している。この度、本ラウンド輸送のさらなる強化を目指し、新たな専用コンテナを共同で製作し、試験運行を経て、2025年6月より本格的に使用を開始したと発表。
今回、DOWAエコシステムと日本製紙は新たに20フィートコンテナ7基を共同で製作し、輸送能力を従来の約3倍に強化。新コンテナは本ラウンド輸送専用のコンテナであり、日本で初めて*4荷主同士の会社ロゴを併記したデザインを採用し、貨物の運搬区間も掲示している。
新コンテナデザイン
共同コンテナを使用した運搬の様子
本ラウンド輸送は、2024年8月に国土交通省による物流総合効率化法の認定*5を取得し、動脈物流と静脈物流を組み合わせた画期的な鉄道往復輸送として、先進的なモーダルシフト*6と評価されている。また、今回の専用コンテナの共同製作も先進的なモーダルシフトの取組みとして、同省のモーダルシフト加速化緊急対策補助金制度を活用していく。
DOWAエコシステムは、今後もグループ内外との連携を強化し、長距離輸送のモーダルシフトを推進していくとの事だ。日本の物流業界が直面するドライバー不足や環境負荷の低減などの課題解決に取り組み、社会を支える持続可能な物流体制の構築を通じて、循環のクオリティを追求していくという。
日本製紙グループは、保有する広域ネットワークを最大限に活用し、日本の物流業界が抱える課題解決に取り組んでいく様子だ。今後もグループ外のパートナー企業とも積極的に連携し、中長距離共同輸送やモーダルシフト推進等を拡大することで、持続可能な物流体制を構築し、社会に貢献していくと意気込んでいる。
両社は、これからもパートナーとして、物流の更なる連携拡大を模索し、持続可能な物流体制の構築を目指していくとのことだ。
*1 動脈物流:原材料を調達し、製品を製造して、消費者に提供するまでの生産、梱包、出荷、配送などに伴う物流
*2 静脈物流:消費者が使用した後の使用済み製品や返品商品の回収、リサイクル、処分などに伴う物流
*3 ラウンド輸送:往路に積み込んだ貨物を目的地で下ろした後、復路は別の貨物を積み込んで出発地まで帰ってくることによって、往復の車両の積載率を高める輸送形態
DOWAエコシステムと日本製紙のラウンド輸送のスキーム図
*4 同社調べ(2025年7月22日時点)
*5 環境負荷低減に加えて物流の効率化を達成した事業に対して、政府が認定や支援を行う制度。支援内容としては、モーダルシフト等の取り組みに対する計画策定経費や運行経費等の補助等が含まれる
*6 モーダルシフト:トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換すること。鉄道輸送のCO2排出量はトラック輸送に比べて約1/11と非常に小さく、モーダルシフトの採用はCO2排出量の削減につながる
(IRuniverse Ryuji Ichimura)
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