山口県を拠点に展開する富士商グループホールディングス株式会社（本社：山口県山陽小野田市稲荷町10-23 代表取締役：藤田 敏彦）の中でも、産業廃棄物処理・リサイクル事業を手掛ける都市産業株式会社（本社：山口県宇部市、代表取締役社長：中村 光）は、7月22日、6月に工場敷地内（所在地：宇部市船木）において省エネ化や災害対策の強化につながる新型の焼却施設を完成させ、同年7月7日に火入れ式を行ったと発表した。

 

 

　同施設は、持続可能な社会の実現に向け、環境負荷の低減と高効率処理を両立させた最新技術を結集したものであり、今回の新焼却施設の他にも3月には破砕・圧縮固化のフォーミング抑制剤「エコマイト®」の製造を開始し、ケミカルリサイクルにも力を入れている。

安全性・効率性・環境配慮を兼ね備えた焼却炉システム 
　今回稼働を開始した新焼却炉は、燃焼過程で発生したガスは、焼却炉の再燃焼室でさらに加熱した上で減温塔に送り、排ガスを冷却設備で一気に200℃まで急速冷却してダイオキシン類の再合成を防止する。

 

　また、電気集塵機でばいじんを除去し、重曹や消石灰を吹き込んで酸性ガスを中和し取り除き、活性炭を噴霧することで臭気を軽減。ダイオキシン類を吸着させた後、バグフィルターで重ねてばいじんを除去し、最新の触媒設備によって、最後まで残ったダイオキシン類を分類する仕組みにより、有害物質の排出を極限まで抑制、周辺環境への影響を最小限にとどめ、地域住民の安心を支える仕組みを確立している。

 

　さらに、燃焼温度の適正管理と排ガスのリアルタイム監視を可能にする中央制御室の自動化システムにより、施設全体の運転を高精度に制御し、安全かつ効率的な運用を実現している。

 

 

廃棄物処理とエネルギー回収を両立した環境型施設 
　今回の新施設内には、廃棄物の焼却時に発生する熱エネルギーを有効活用する「バイナリー発電機」を設置。
装置を保護するための水冷構造があり、そこから出る温水を使って発電する。最大送電端発電能力は20キロワット。発電した電気は工場内で必要な電力に充てる。

 

　上部・下部のドラム缶投入設備では、ドラム缶を容器に入れたまま廃油を処理できる仕組みとなっており、上部設備ではエレベーターを利用して再燃焼室に投入。下部設備では、専用の処理室でガス化させ、再燃焼室で適正に処理する仕組みとなっている。

 

地域との共生を重視した設計
　同施設は、処理能力や技術面だけでなく、地域社会との共生も強く意識した設計となっており、騒音や臭気の対策にも万全を期している。

【施設概要】 
焼却方式：向流式ロータリーキルン
主な処理対象：廃油、廃アルカリ、廃酸、汚泥、廃プラスチック類など
排ガス処理方式：減温塔、乾式電気集じん機、バグフィルター、触媒
特徴：中央制御、エネルギー回収、環境配慮設計

 

（IR universe rr）

 

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