今年のスマートエネルギー展の盛況ぶりは、世界が久しぶりに解放された事を感じる程、世界各国から大勢のビジネスマン&ウーマンが来日した。水素エンジンを主張しているのはトヨタの前社長さんだけかと思っていたが、全く異なる展開であった。カナダバンクーバー拠点のウエストポート・フューエル・システム社はディーゼル車のピストンだけを交換するだけで水素燃焼エンジン化が可能である事を下記の2枚の写真が示している。
上記手前のバー状がピストンで水素燃焼用
下記はピストンをセットした写真
上記のエンジンはスウェーデンのVolvo社のディーゼルエンジンである。世界はバッテリー駆動だけが乗用車では議論されてきたが、ここに来て漸く世界はバッテリーだけでは温暖化防止が成立しない事に気付き始めたのかも知れない。
勿論水素を保管し、供給するシステムも必要であるが、これまでのエンジン技術が今後も活かされるシステムが漸く世界に注目される時代を象徴する様な展示が、南アフリカが水素燃料電池のパビリオンでハイドロジン・サウス・アフリカの大きなブースが目を引いた。南アフリカは豊富な白金資源が燃料電池の触媒の材料として注目されている事から、水素燃料電池の大型バスの開発まで一貫した挑戦をアピールしている。このブースには開発に参加しているアングロ・アメリカの担当者も来日していると側聞した。
またドイツ北部ニーダーザクセン州のブースも注目された。ドイツ北部のバルト海に面するニーダーザクセン州は海洋風力発電の電気で水素を製造して、欧州北部のオランダやスカンジナビア半島の国へ水素を供給する構想で、日本の水素活用技術を有する企業を誘致したいとの意向であると説明して呉れた。改めて電力を水素へ転換して保管したり、水素で大型トラック、バスや船舶の運航に寄与する事や、水素に活用は気候の厳しい欧州北部の国の新たなエネルギー源となる可能性を改めて世界は注目していると展示会の参加者の多様化に驚いた。
(IRUNIVERSE Katagiri)