国内ステンレススクラップ市況は再度の下げ含み。先週、ひそかに日鉄ステンレスはじめ親和スチールも304スクラップの購入単価をキロ当たり5〜10円引き下げたばかりだが、日鉄ステンレス、JSPはさらに10円の引き下げ及び納入枠の更なる制限も検討しているという。
ここに至る経緯はいくつかのストーリーがあるのだが、基本的にはステンレススクラップの需要が国内外で冴えない、ということに尽きる。
LMEニッケル相場と304スクラップ相場の推移
中国の304スクラップ相場の推移(RMB/ton)
韓国向けはポスコの買いが復活したとはいえ、浦項は在庫過多。したがって国内の韓国向けシッバーも多くは買えない。すでに日本冶金は荷止め、日鉄ステンレス系のJSPも前述したように枠制限を厳しくする方向。さらに中国向けも、中国現地ディーラーの買いが弱まっていること、相場が1600ドル以下(11,000元以下)まで下落していることで中国向けシッバーの買いも衰えている。
つまりは売り場が狭まっている。
相場の下落に売り場の縮小、ステンレススクラップ市場はいつか来た道に再び入っている。
(iruniverse yt)