ブラジルの資源大手ヴァ―レがインドネシアでのニッケル生産に追加投資をするもようだ。今後10年間に100億ドル(約1兆4700億円)を追加投資する。電気自動車(EV)向け材料の需要を見据えた計画という。ロイター通信などの外電が9月7日、同日のヴァ―レ経営陣の話として伝えた。
報道によると、ヴァ―レはもともと、今後10年間にブラジル、カナダ、インドネシアでの新規事業に25~億30億ドルを充てる計画で、インドネシアでの追加投資はその計画の一環。ヴァ―レはインドネシア政府とニッケル採掘などを手掛けるPT Vale Indonesia(ヴァ―レインドネシア、PTVI)を運営する。
ヴァ―レは主力の鉄鉱石事業の不振が目立つ中、中長期的な需要拡大が見込まれるEV材料の採掘を強化する姿勢だ。PTVIは2022年、インドネシアのスラウェシ島でのフェロニッケル製錬所と混合水酸化物沈殿物(MHP)工場の建設計画について、中国コバルト大手の浙江華友コバルトからの出資を受け入れた。MHPもEV向けに使用できる。
一方、インドネシア政府は単純な資源輸出国から、製造業も手掛ける産業多角国への転換を目指す。ニッケルの埋蔵量の多さを強みとし、アルミニウムや銅、ボーキサイトなども生産できることから、完成車生産までを担うEV産業のアジアでのハブになることを視野に入れているとみられる。
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(IR Universe Kure)