米フォード・モーターが、米ミシガン州で計画していたリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリー工場の建設を中止したことが分かった。ロイター通信などの外電が9月26日までに伝えた。同工場には世界最大の車載向けバッテリーメーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)が協力する予定だった。
ロイター通信によると、フォードは「競争力を持って工場を運営できると確信できるまで」作業を中断し、建設支出を制限すると表明したが、中止理由は明確にしなかった。ただ、米国では目下、全米自動車労組(UAW)がフォードを含む自動車大手3社を相手に賃上げ交渉とストライキを展開中。UAWとフォードは交渉に進展があったとされるものの、合意には至っていない。
一方で、同工場を巡ってはCATLの関与について米国内で警戒や批判があり、かねて米下院が調査に入っていた。中国側も、中国工業情報化省の閣僚経験者がCATLに対し、対外投資の際は100%出資企業を設立するよう求めたと伝わるなど対外投資を制限する方向になりつつあった。
ロイター通信によると、フォードは同工場の建設について「投資計画について最終的な決断をしていない」としたという。
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