韓国POSCOは30日に原料会議を行い、5月の韓国国内ステンレススクラップ購入単価について304系のみ前月比キロ当たり50ウォン上げの1840ウォンとした。316、400系はSkip。
トン当たり2万ドル近くまで上昇したLMEニッケル相場と伴って上昇したNPI(ニッケル銑鉄)相場を考慮した上げ、とみられる。
→SUSscrap MarketWatch 2024#7 各社事情で異なる購買スタンス
現在の為替レートで換算した円価格はキロ当たり208円と推定される。直納業者は215円前後と目される。

(最近3か月のLMEニッケル相場とニッケル銑鉄相場の推移)

(LMEニッケル相場は19,000ドル超え、ニッケル銑鉄相場は今年3月以来の970元超え)
(POSCO社のSUSscrap購入価格の推移)

POSCOの上げで日本国内は動くか?
答えはNO、だろう。すでにギリギリいっぱいまで買値を上げていることと、現物が少ないことであまりメーカーサイドも期待していない。直納業者も期待していない。と聞く。しかし、売り手(スクラップバイヤー)はさらなる値上げを待って「出し渋り」戦法をとっているが「どっちみち連休挟んで現物は動かない。ニッケル相場がこのまま高値を続けるならば、6月は確かに上げだが、そこまで持ちこたえるか。例によっての我慢比べだ!」と気合をみせるのはステンレススクラップを中心に扱う専業筋。
中国勢は置き場税込み200円でとどまっている様子。韓国向けでは最大手の親和スチール社が一部205円まで出しているがここが一杯一杯のところだろう。
為替(円ドル)が160円に迫ろうとしているが、国内では最高値205乃至は一部の210円(特殊鋼メーカー)を上回るかどうかは、5月のニッケル相場次第。
しかしこれまでの経験ではGW期間中に相場が一変し、多くの場合、下がることが8割。
(IRUNIVERSE/MIRU YT)