IHIは1月10日、積水化学工業より燃焼排ガスからCO2を分離回収する小型CO2回収装置を受注したと発表した。同装置はひたちなか・東海クリーンセンターの燃焼排ガスからCO2の分離回収を行うもので、回収したCO2は積水化学工業が開発する90%以上の高収率でCOに変換するケミカルルーピング反応技術とCOから芳香族化合物を高効率に生産する技術などにより、CO2からポリマー原料へ有価転化する技術実証に使用される予定。
なおこの技術実証は、積水化学工業などにより実施されるNEDOグリーンイノベーション基金事業「バイオものづくり技術によるCO2を原料とした高付加価値化学品の製品化」として行われるものになる。
【IHI小型CO2回収装置のイメージ】
同本装置は、カーボンニュートラル実現に向けて工場や事業所などの様々なCO2排出源において、分離回収の試験を実施したいという多くのニーズから販売を開始したもの。同装置は設計標準化により、導入コストを抑え、短納期での納入が可能であること、必要な機器をコンパクトにパッケージ化しており容易に据え付けできることを特徴としている。大気中へのCO2排出を抑制する「カーボンリサイクル」の実証に適した製品として、まず国内市場を中心に投入していくという。
IHIはCO2分離回収技術のほか、CO2を有価転化する技術といったカーボンリサイクルに関する多様な技術を保有しており、これらのソリューションを組み合わせ、燃料転換が困難な用途へのエンジニアリングサービスを提供することで、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していく。
【IHI小型CO2回収装置の仕様】
CO2回収方式:化学(アミン)吸収法
回収CO2量:0.6 t/d
回収CO2純度:99 vol%-dry以上
CO2回収率:90 %
設置面積:約5,500 mm×6,300 mm
(IR universe rr)