スイス資源大手グレンコアと英豪資源大手リオ・ティントが2024年末に経営統合について協議していたことがわかった。米ブルームバーグ通信が1月16日に消息筋の情報として伝え、1月17日までに他の海外メディアにも報道が広がった。ただ、協議は短く、進展はしていないという。
両社は2014年にも統合協議を行ったが、この時は成立しなかった。ブルームバーグは、もし統合が実現すれば、時価総額は1580億ドル程度と豪BHPの1260億ドルを上回り世界最大規模の資源会社になると伝えた。
■リオ・ティント、24年鉄鉱石生産は1%減
世界の鉱業企業の間では、オールドエネルギーからニューエネルギーへの転換を背景に、これまでの鉄鉱石などのベースメタルから、電気自動車(EV)などの材料に必要な銅やマイナーメタルへの移行を目指し事業や経営を再編する動きがある。2024年にBHPが、銅資産の獲得を目的に英同業のアングロ・アメリカンの買収に乗り出したことは象徴的だった。
実際、各企業のオールドエネルギー事業はさえない。リオ・ティントは1月17日、2024年の生産量を発表した。ボーキサイトや、主力のアルミニウムの生産が前年比で増加し、採掘銅の生産量は13%増えた。一方で酸化チタンスラグは11%の減産。鉄鉱石もピリバラでの生産量が前年から1%減った。
プレスリリース:Rio Tinto releases fourth quarter production results
グレンコアもコバルト生産で中国企業に水をあけられるなど苦戦が続く。中国のデフレ輸出の脅威もあり、2025年は各企業ともに経営体制の模索が深まりそうだ。
関連記事: 中国CMOC、24年コバルト生産量は11万トン 2年連続で世界首位へ、グレンコアの3倍 | MIRU
(IR Universe Kure)