2025年9月16日~9月21日のバッテリー業界では実証実験の開始や新製品発売のニュースが多かった。福岡空港でカルコパイライト太陽電池の実験が行われるほか、ファミマでのEVトラックの導入実験も予定される。準固体電池や全固体電池の採用製品の発売も相次いだ。毎年世界が注目する米アップルの新製品発売もあり、電池面でも話題だった。
IR Universeは9月25日、第12回Battery Summit を開催する。今回は、中国の金属情報プロバイダーSMM(上海有色網)との共催となる。
18:45~20:45 懇親会---今年の2月にも登場した西村元経産大臣が懇親会にてご挨拶。
9月25日(木) 第12回 Battery Summit in TOKYO
日程
2025年9月25日(木)13:00~18:30
会場
東京国際フォーラム Hall D7
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5-1
<国内>
●福岡空港でカルコパイライト太陽電池の実験 12月から
九州電力傘下の九電みらいエナジー(本社:福岡市)は9月19日、自社ホームページ上で、「次世代型太陽電池『カルコパイライト太陽電池』の実証試験を福岡空港で12月から実施する」と発表した。カルコパイライト太陽電池は赤外線で効率よく発電するのが特徴で、軽く柔軟性が高い。
(出所:九電みらいエナジー発表資料)
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●パナ、全固体電池や新型高容量電池の生産・開発を促進 報道
9月19日のロイター通信は、パナソニック・ホールディングス(HD)がEVの航続距離延長につながる可能性のある新型の高容量電池を約2年で開発することを目指していると伝えた。
一方、パナの電池事業会社、パナソニックエナジーは9月18日、産業機械向けに開発している全固体電池のサンプル出荷を2026年度に開始する計画を明らかにした。共同通信が同日伝えた。
●いすゞ、EVトラックを横浜のファミマで運用 11月から
いすゞ自動車は9月18日、自社ホームページ上で、「バッテリー交換式EVトラックを使用した配送実証を、ファミリーマート、伊藤忠商事、横浜市と開始する」と発表した。車両の左右両側からバッテリーを同時交換できるステーション及び、これに対応したバッテリー交換式「エルフEV」を、ファミリーマート約80店舗への商品配送に使用する。実験は横浜市内で11月から。
(出所:いすゞ自動車発表資料)
プレスリリース:いすゞとファミリーマートと伊藤忠、バッテリー交換式EVトラックを使用した配送実証を横浜市で開始~国内初の両サイド同時交換を採用、カーボンニュートラル化と輸送効率化を両立~ | いすゞ自動車
●カイレン・テクノ・ブリッジ、準固体電池のモバイルバッテリーを発売
モバイルバッテリーメーカーのカイレン・テクノ・ブリッジ(本社:埼玉県所沢市)は、9月18日、自社ホームページ上で、「準固体電池を採用したマグネット式ワイヤレスモバイルバッテリーを、クラウドファイディングサービスの「Makuake(マクアケ)」で9月19日から先行予約販売する」と発表した。
プレスリリース:画期的新技術!発火リスクが低い準固体電池のマグネット式ワイヤレスモバイルバッテリーをMakuakeで先行予約開始 - 株式会社カイレン・テクノ・ブリッジ
●マクセル、全固体電池の電源モジュールなど発売
マクセルは9月17日、「全固体電池『PSB401010H』を使用した電源モジュールとエナジーハーベスト対応評価用キットを9月から発売した」と発表した。
プレスリリース:マクセル|全固体電池「PSB401010H」を使用した電源モジュールとエナジーハーベスト対応評価用キットを9月より販売開始
●BASC、EUの業界団体と協力で覚書 リサイクル促進
「電池サプライチェーン協議会」(BASC)は9月16日、ホームページ上で、「9月15日に欧州連合(EU)の業界団体『EBA250』およびEUの電池リサイクル団体である『RECARGE』と協力を進める覚書に署名した」と発表した。
プレスリリース:欧州バッテリー連合、RECHARGE、日本のBASCが力を合わせて、強靭で競争力のあるバッテリーサプライチェーンを構築 | 新着情報 | 一般社団法人電池サプライチェーン協議会(BASC)
EUは9月15日に執行機関の欧州委員会のセジュルネ上級副委員長が来日していた。
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<海外>
●米アップル、新型iPhoneなど発売 電池容量増大
米アップルは9月19日、スマートフォンをはじめとする新製品を発表・発売した。電池容量は「iPhone 17 Pro」などで増量したとされる。
●中国Lopal Tech、CATLから大型受注 LFP正極材
リチウムなどの電池材料や化学品を手掛ける中国の江蘇龍蟠科技集団(Lopal Tech)は9月16日、上場する上海証券取引所で、「車載電池世界最大手の中国の寧徳時代新能源科技(CATL)から、リン酸鉄リチウム(LFP)正極材材料について、約60億元(約1250億円)相当の大型受注を獲得した」と発表した。発表を受け、同日の上海株式市場で同社株はストップ高(制限値幅の上限)に急伸した。
プレスリリース:603906_20250916_LWKG.pdf
(IR Universe Kure)