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コンテナ運賃動向(2025年9月)、太平洋航路、北欧州航路ともに減小続く

2025/09/29 17:49
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コンテナ運賃動向(2025年9月)、太平洋航路、北欧州航路ともに減小続く

 2023年12月にフーチ派が紅海を航行する商船への攻撃を開始して約2年が経とうとしているが、それ以来世界のコンテナ運賃が過去最低を記録しているのが目下の現状である。米国の関税政策をめぐる混乱は今も続いており、10月には中国建造船への米国入港使用料の開始により先行きは不透明のままだ。
 

 現下のコンテナ運賃動向をノルウェーのゼネタ(Xeneta)社のコンテナ運賃情報「Xeneta Shipping Index by Compass」(XSI―C)https://xsi.xeneta.com/ (40フィート・コンテナのスポット運賃で各種サーチャージを含む)で見てきているが、下図のように東アジア発米国西岸向けは6月に入り急上昇したが7月からは下降が続いており、北ヨーロッパ向けも下降傾向がより強い。

 

 

他のコンテナ運賃指標で東アジア発米国西岸向け運賃(40フィート)を見てみると、Drewryでは前週比10%減の2,311ドル(9月25日付)、Freightos Baltic Index では前週比15%減の1,852ドル(8月29日付)だった。


日本発の運賃はどうか?

(公財)日本海事センターが公表している日本発の運賃(40フィート)は、下図のように3月からの下落が5月に入っても続いているが、6月から急上昇したが、7月に入っては急落した。8月分もいずれ近いうちに公表される予定だ。
 

 

中国の世界覇権に抵抗する米国
今や世界のあらゆる分野においてその支配権を広げつつある中国に対するトランプ政権の対抗策は海運においても明らかになっている。米国通商代表部(USTR)は今年4月17日、中国の海事・物流・造船分野に対する1974年通商法301条に基づく措置内容を決定したと発表。

1)ガントリークレーン
中国製または中国製部品を使用したコンテナ船からコンテナの荷下ろしをするガントリークレーンや類似の荷役機器に最大100%の高関税を導入する計画を発表した。

この発表後には米議会で公聴会が行われ、さまざまな業界関係者から約600件の書面コメントが集められ、特に安価のガントリークレーンを購入し便益を享受してきた米国の港湾を代表する全米港湾協会(AAPA)はその関税に強く反対してきた。だが、事実としては、中国製ガントリークレーンが世界で圧倒的なシェアを占め、その内部に情報発信する機器が埋め込まれているとの報道はバイデン大統領時代からささやかれており、上海振華重工(ZPMC)製のガントリークレーンを「トロイの木馬」と警戒する者さえもいた。

現時点では、米国内での造船の復活同様に、三井E&Sの米国法人が米国でのクレーン製造に向け動き出している。

2)中国船舶の米国入港使用料
米国通商代表部(USTR)は4月17日、中国の海事・物流・造船分野に対する1974年通商法301条に基づく措置内容を決定したと発表。中国企業が所有、運航する船舶や、中国以外の海運会社が所有、運航する中国建造船舶の米国港湾への入港について、2025年10月14日から追加料金を課す。これらの追加料金が米国航路の海上運賃の上昇を招くことは必至であり、事態の推移を見守りたい。

コンテナ船隻数の運航において世界で上位3位を占めるMSC(スイス)、マースク(デンマーク)、CMA CGM(フランス)は中国建造船を米国航路から外し、新たに航路体制を敷いているが、世界第4位の中国のCOSCOグループは現体制のままで行き、追加使用料を顧客には転嫁請求しない方針のようである。


(IRuniverse H.Nagai)
世界の港湾管理者(ポートオーソリティ)の団体で38年間勤務し、世界の海運、港湾を含む物流の事例を長年研究する。仕事で訪れた世界の港湾都市は数知れず、ほぼ主だった大陸と国々をカバー。現在はフリーな立場で世界の海運・港湾を新たな視点から学び直している。

 

 

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