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月島ホールディングス(6332)26/3Q1決算・IRフェアメモ   ややポジティブ継続

2025/10/02 11:47
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月島ホールディングス(6332)26/3Q1決算・IRフェアメモ   ややポジティブ継続

26/3期水環境統合効果など豊富な受注残消化で3.4%増収2.4%経常増予想は連続最高益

株価2934円(10/1) 時価総額1295億円     発行済株44125千株

PER(DO26/3予:8.3X)PBR(1.35X)配当(26/3期予)82円  配当利回り:2.8%

 

要約

・26/3Q1豊富な受注残消化で3.0%増収87.7%経常増、受注は水関連端境期で39.1%減

・26/3期3.4%増収2.4%経常増、受注19.3%減予想と水関連受注端境期も連続最高益予想

・脱炭素社会に貢献し中期経営計画で27/3期に売上高1600億円、営利120億円目指す

 

26/3Q1豊富な受注残消化で3.0%増収87.7%経常増、受注は水関連端境期で39.1%減


 水環境事業や廃棄物処理・環境保全設備など高シェアを誇る創業120周年迎えた名門企業 。近年はクリーンエネルギーの普及拡大やEV関連として2次電池製造分野、バイオマス発電などにも事業を拡大、「環境技術で世界に貢献し未来を創る」をパーパスとして掲げている。同社は5/27のIRフェアで説明会を実施した。

 

 26/3Q1は売上高248.15億円(同期比3.3%増)、営利1.67億円(4.34億円改善し黒字転換)、経常利益6.85億円(87.7%増)、税引利益24.63億円(11.5倍)、受注440.82億円(39.1%減)、受注残高3375.37億円(4.3%増)となった。売上は豊富な受注残の消化、受注は水関連の端境期で減少、受注残高は長期案件もあり膨らんだ状況にある。

 

 

 主要事業別では水環境事業が売上高157億円(同期比6.0%増)、営業損失1.55億円(同期比2.34億円改善)、受注292億円(46.7%減)、受注残2900億円(6.5%増)となった。売上面では豊富な受注済のEPC(エンジニアリング案件)消化が順調に行われたほか、アフタサービス案件が進捗した。受注では下水汚泥焼却炉や官民連携事業の端境期であり大幅減となったが、想定通りの動きとのこと。利益面では豊富な受注残の消化の中で先行投資費用を補い赤字幅が縮小した。

 


 

 産業事業は売上高87.7億円(2.0%減)、営利1.57億円(同期比2.45億円改善し黒字転換)、受注145億円(16.9%減)、受注残475億円(7.5%減)に。売上面ではこちらも豊富な受注残高の消化が進み、受注面では同期比減も高水準を維持した。利益面では大型案件の手数料などの削減等で収益性が改善した。

 


 

26/3期3.4%増収2.4%経常増、受注19.3%減予想と水関連受注端境期も連続最高益予想


 26/3期8/8の会社予想に対し変更はなく、売上高1440億円(3.4%増)営利95億円(6.6%増)、経常利益105億円(2.4%増)、税引利益150億円(2.2倍)、受注1470億円(19.3%減)予想を据え置いた。売上は豊富な受注残高の計画的な消化で対応、受注は水環境関連の端境期が前もってわかっており、計画通り実行されているとのこと。

 


 事業別では水環境が受注高900億円(34.3%減)、売上940億円(1.4%増)、営業利益60億円(2.2%減)予想。売上は受注残高が2765億円と潤沢にあり、順調に消化する見通し。中身は水インフラ売上高500億円(1.8%減)、受注450億円(37.8%減)、ライフサイクル売上高440億円(5.3%増)、受注450億円(30.2%減)予想。受注においては水インフラが大型案件の端境期で減少、ライフサイエンスは25/3期に複数のPPC事業、O&Mの新規案件の集中による反動減と端境期の影響から大幅受注減を見込む。利益は先行投資を積極化し、R&DやDX費用増に充当し、微減益予想。

 

 

 産業事業は受注高555億円(26.4%増)、売上高485億円(7.3%増)、営利29億円(36.7%増)予想。こちらも売上は受注残の順調な消化が進む見通しで、産業インフラが280億円(1.4%増)、環境が205億円(16.5%増)予想。受注は単体機器やプラント案件、環境案件も堅調で、産業インフラ320億円(10.3%増)、環境235億円(57.7%増)を見込む。利益は増収効果、MIX良化で大幅増益予想。

 

 

 全体の利益の増減要因では増収効果11億円、収益率改善効果7億円に対し水環境の研究開発費、DX投資負担など11億円の負担増を見込む。


 現状、豊富な受注残高に支えられ、新規受注の増額分は今期以降に売上に計上されるとみられ、26/3期は会社予想並みの収益が期待される。なお税引利益は8/8に譲渡益計上120億円で期初計画比75億円嵩上げられている。

 

脱炭素社会に貢献し中期経営計画で27/3期に売上高1600億円、営利120億円目指す

 同社は中期経営計画として27/3期に売上高1600億円、営利120億円目指す。また長期ビジョンとして30/3期には売上高2000億円、営利150億円を目標としている。具体的に事業別予想として水環境事業が売上高1000億円、営利63億円、産業事業が売上高585億円、営利52億円、その他が売上高15億円、営利3億円を目標としている。

 

 水環境事業は、JFEエンジニアリングとの国内水エンジニアリング事業の統合によるシナジー効果を生かし、官民連携事業を強化していく方針。具体的には上水分野で一気通貫の浄水場設備の更新対応が可能となる。また下水分野では相互に強みを持つ汚泥処理技術の統合でラインナップの強化で優位性がさらに高まる見通し。また両社で運営管理している処理場の数は約150か所あり、安定収益基盤の強化が見込める。

 

 同事業では次世代型汚泥焼却システムや創エネルギー型脱水焼却システム、汚泥年少化システムなどの開発を実行、FIT活用した消化ガス発電事業(民節民営方式)も拡大する。

 

出所:統合報告書2024

 

 産業事業は電池材料、触媒などの高付加価値向けの晶析、乾燥、ろ過などに重点領域とする。特に注力しているのがEV向けリチウムイオン2次電池製造装置プロセスへの取組。同分野は月島機械の正極材製造技術と子会社プライミクスの持つ電池製造の前工程での攪拌技術を融合し、2次電池モジュール完成までの一連の製造に係わっていく。

出所:統合報告書2024

 

 このほか、半導体やLiB材料の工場排水からのアンモニア回収技術、アンモニアの燃焼利用技術などもリサイクル、脱炭素社会に貢献する技術として今後の事業展開に期待が広がる。

 

 このように、27/3期にはシナジー効果と新規事業の拡大も期待され、全体を通じ、中期経営計画に対し、計画通りの達成が見込まれる。

 

 株価は26/3期も連続最高益更新見通し、8/8の固定資産譲渡による譲渡益120億円発生税引利益の75億円上方修正があり、順調に上昇を続け、9/9には3545円の年初来高値をつけた。しかし9/10に8/8をもって自社株取得を終了したことの開示を受けて下落傾向が続いている。現在、26/3期会社予想EPS349.66円に対しPER8.3倍であるが、特別利益を除き実質EPS174.02円に対し16.7倍水準にあり、プライム機械平均PER18.4倍に対しあまり差がなく、タクマ(6013)の14.4倍、荏原実業(6328)の16.5倍に対し似通った倍率、先端半導体関連の荏原(6361)20.3倍に対し割安な水準にある。同社は今後、JFEエンジニアリング統合によるシナジー効果、豊富な受注残高の順調な消化が見込まれ、連続最高営業利益、経常利益更新が続く見通しにある。このため、ややポジティブ継続としたい。


*荏原(6361)、タクマ(6013)、荏原実業(6328)との比較

 

 

(H.Mirai)
 

 

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