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9月の銅の概況及び10月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎

2025/10/03 12:10 FREE
9月の銅の概況及び10月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎

予想レンジ 

LMEセツル     9500-10500ドル        →

    建値     142万-162万円         →

    為替     145~150円 (1か月間TTM)  →

 

■国際概況

中国景気の減速懸念が依然強く、実需の持続性に不透明感や米雇用統計の強さ → ドル高要因→ 銅相場の下押し圧力やなどの下落要因もあったがチリやペルーの一部鉱山での供給障害(労使交渉・メンテナンス・天候要因)米国FRBによる利下げ観測 → ドル安進行 → コモディティ価格を押し上げを好感しUP

月末日10233ドルで終えた

 

■前月の経済指標    

◆月間のドル/円レート (TTS)

148.28 → 150.79(円)

 

出典 MIRU

 

 

【国内指標】                                       

【自動車生産】 

生産動態統計によると8月の自動車生産台数は前年比∔0.9%の51万7699台

輸出は前年同月比∔1.2%の28万160台                                                                                                                             

                                                       

 

6月7月8月
生産台数69万433台70万5101台51万7699台
前年比+5.2%-7.8%+0.9%

 

 

【自動車販売】          

日本自動車販売協会連合会によると9月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-3.3%の26万5391台

                    

 7月8月   9月   
販売台数25万2196台18万6594台26万5391台
前年比-4.2% -10.6%-3.3%

 

自動車生産台数

出典 生産動態統計

 

自動車販売台数推移

  

出典 日本自動車販売協会連合会

 

【住宅着工戸数】

8月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比9.8%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比0.1%の減少となった。

 

【伸銅品生産】

 2025年8月の伸銅品生産動向(速報値)」によれば、4万5,660トン、前年同月比4.6%増加した。3か月連続のプラスとなった。

 

出典 日本伸銅協会

 

【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】

出荷量:40400トン(銅量ベース)

前年同月比:-4.3%

再びマイナス

 

出典 日本電線工業会

 

◆貿易関連指標

【輸出】        

電気銅    -7.3% 6万4300t

スクラップ  +80.7% 3万6816t

 

輸出6月7月8月
電気銅5万2993t5万3510t6万4300t
前年比-19.7%-9.9%-7.3%
スクラップ3万3223t4万254t3万6816t
前年比∔24.8%-51.3%+80.7%

 

輸出推移

 

 

【輸入】        

電気銅   +130.9% 217t

スクラップ  +41.7% 2万8504t

 

輸入6月7月8月
電気銅27t487t217t
前年比-88.2%+50.8%+130.9%
スクラップ3万4079t3万1369t2万8504t
前年比+79.1%+26.2%+41.7%

 

輸入推移

出典 財務省 貿易統計

 

 

■国内概況まとめ

【自動車生産】

生産動態統計によると、7月の自動車生産台数は70万5,101台で前年同月比-7.8%と減少。輸出も34万54台と同-5.5%となり、国内外ともに減産傾向が続いた。

 

【自動車販売】

日本自動車販売協会連合会の発表によれば、8月の国内販売台数(軽除く)は18万6,594台と前年同月比-10.6%。需要回復の遅れが鮮明となった。

 

【住宅着工】

7月の新設住宅着工は持家・貸家・分譲住宅がいずれも減少し、全体で前年同月比-9.7%。ただし、季節調整済み年率換算値では前月比+9.9%と回復の兆しが見られる。

 

【伸銅品生産】

7月の伸銅品生産は5万8,750トンで前年同月比+1.3%と2か月連続の増加。2023年3月以来の高水準となった。需要先では、自動車向けコネクタやAI関連の半導体向けが堅調。車載向け半導体も中国市場の回復が支えとなっている。エアコン向けも猛暑で増産が進む一方、海外製品の輸入増加も見られる。住宅着工は低迷が続く。トランプ政権による関税の影響は限定的で、米国向け輸出には品目ごとに増減の差がある。

 

【電線】

7月の電線出荷量(銅ベース)は5万1,300トンで前年同月比-1%。再びマイナスに転じた。

 

【輸出入動向】

 

電気銅輸出:5万3,510トン(-9.9%)

 

銅スクラップ輸出:4万254トン(-51.3%)

 

電気銅輸入:487トン(+50.8%)

 

銅スクラップ輸入:3万1,369トン(+26.2%)

 

輸出は電気銅・スクラップともに減少幅が大きく、特にスクラップは半減した。一方で輸入は電気銅・スクラップともに増加基調にある。

 

                                                                 

【見通し】

【自動車】     

8月の自動車生産が+0.9%。9月国内販売台数が前年比-3.3%

販売台数 

前年同月比:わずかなマイナス~横ばい圏

8月の落ち込み実績もあるため、9月も前年を大幅に上回る可能性は低く、むしろ前年割れの継続が現実的

 

生産台数

前月比:プラス転換の可能性(反動回復)

7月の輸出駆け込み対応の反動減を経て、8月–9月にかけて生産は持ち直す可能性がある。

 

【伸銅品生産】 

  2025年8月の伸銅品生産動向(速報値)」によれば、4万5,660トン、前年同月比4.6%増加した。3か月連続のプラスとなった。

9月の生産見通し 56,000トン前後

上期後半の回復傾向を反映した年平均に近い水準と想定。

 

【電線】

出荷量:40400トン(銅量ベース)

前年同月比:-4.3%

再びマイナス

10月の銅電線生産は 4.5 万〜5.5 万トン 程度と予想

【スクラップ景況予想】

需給バランス:ややタイト方向、または均衡に近づく傾向。供給制約が強まればタイト化が加速。

 

【LME・為替予想】

●LME予想  

鉱山事故・操業停止・物流断などの突発要因(特にグラスバーグ事故の影響が長引くケースなどを警戒。

これらを踏まえた今月の銅価格は 9500-10500ドル(セツル)との予想。

●為替予想 145円~150円

米ドルの下押し傾向(利下げ)と、円の上昇ポテンシャル(BOJの引き締め示唆など)の組み合わせで、ドル円の上昇余地は限定され、むしろ下振れリスクが意識される展開になる可能性が高い

銅建値に関しては142万-162万円程度と予測。        

 

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