コバルト価格が急伸している。ベンチマークとなるLGコバルトは10月9日に仲値$19.75/LBを付けた。2月に付けた直近安値($9.95)からは8カ月間で2倍に上昇し、遠いとされてきた$20が目前に迫る。生産国であるコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)が9月、停止していた輸出を再開したが割当量が想定より小さいと受け止められ、供給懸念が強まっている。
関連記事: コンゴ、コバルト輸出停止を終了 10月16日から割当制、年内に1万8125トン・外電
過去1年間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移
LGコバルトは車載電池向け需要への期待が高まった2022年2月以来の高値に上げている。10月2日には$19.1に上げ、それまでの$16.825から13%超も上げる勢いを見せた。
MSNニュースが消息筋の話として10月13日に伝えたところによると、コンゴのチセケディ大統領は10月10日、内閣に向け、「新たな輸出規則に違反する者には『模範的な制裁』を適用する」と語った。採掘ライセンスの永久取り消しなどが示唆されたと受け止められているという。
一方、現地メディアのアフリカニュース(電子版)は10月10日、「2018年から2023年の間に、コンゴで採掘する鉱山会社は少なくとも168億ドルを脱税した」と伝えた。コバルトを含む同国での鉱業に、コンゴ政府が取り締まりを強める姿勢が意識されている。
過去3か月間のLGとHGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移
供給不安は他のコバルトにも広がる。航空機向けなどのハイグレード品であるHGコバルトはLGに同調する。10月9日仲値は$21.5/LBと、節目の$20、$21を軽々と超えた。2023年1月以来の高値となる。
■LME4万ドル超え、硫酸コバルト3年ぶり高値
過去3か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)
国際価格のLMEコバルトも高い。10月13日は$4万0015/tonと、2023年2月以来の高値を付けた。やはり10月上旬に跳ね上がった。その後は高止まりが続く。
過去3か月間の硫酸コバルト価格の推移(20.5%min China)(RMB/Mt)
電池向けの硫酸コバルトは一足先に上昇基調を強めた格好だ。9月上旬から毎週のように値を上げ、10月9日に仲値RMB6万9500/Mtを付けた。2022年7月以来の高値となる。硫酸コバルトは中国による電池材料の輸出規制など貿易の混乱も供給不安に影響する。
(IR Universe Kure)