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ロッテルダムとアントワープのストライキでヨーロッパの主要港が麻痺

2025/10/15 18:18
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ロッテルダムとアントワープのストライキでヨーロッパの主要港が麻痺

ロッテルダム

欧州一の取扱高を誇るオランダのロッテルダム港では、甲板上のコンテナを固定する作業をおこなうラッシング会社(International Lashing Services B.V.とMatrans Marine Services B.V.)による賃上げ要求のための48時間のストライキを開始したことにより港のコンテナ荷役が中断した。

 

ストライキは10月8日午後3時15分(現地時間)に始まり、10日の午後まで続く予定で、ヨーロッパで最も混雑するコンテナ港全体で、コンテナ荷役が事実上麻痺した。

 

港湾当局は、操業再開後も長期にわたる混雑が続く可能性があると警告した。ロッテルダム港のストライキは、10月上旬に北欧の他の港湾にも影響を及ぼした広範な緊張の高まりの一部である。ベルギーではアントワープ・ブルージュ港が航路標識員の抗議行動に見舞われ、ドイツのハンブルク港とブレーマーハーフェン港では深刻な混雑が発生した。

 

世界に冠たる海運会社であるマールスク社(デンマーク)によると、ストライキはロッテルダム港内のAPMターミナルズ・マースフラクテII、ハッチンソン・ポートズ・デルタII、ECTデルタ、ロッテルダム・ワールド・ゲートウェイを含むロッテルダムの主要ターミナルすべてに影響を与えるという。

 

マールスク社の顧客向け情報によると、この労働争議は「ロッテルダムのターミナルにおけるラッシング作業員の労働条件と報酬」をめぐるものだ。タグボートや水先案内人などのターミナルインフラは稼働しているものの、船上でのコンテナの安全な固定と解放に不可欠なラッシング作業の停止により、船舶の運航に大きな影響が出ている。

 

混乱の全容は依然として不明のようで、既に複数のコンテナ船が停泊時間の延長に直面している。

 

アントワープでは船舶取扱数が半減

欧州第2位の規模を誇るベルギーのアントワープ・ブルージュでは水先案内人(パイロット)によるストライキが、アントワープ・ブルージュ港の海上交通に深刻な混乱をもたらした。ロイター通信によると、政府の年金改革に反対するこの10月13日から始まった抗議活動により、アントワープ港の船舶取扱数は、通常1日60~80隻から翌日の火曜日にはわずか31隻に減少し、一部の船舶は遅延、立ち往生、または他の港への迂回措置をとっているとのことだ。

 

水先案内人組合(Beroepsvereniging van Loodsen)が代表を務める水先案内人は、政府による将来の年金給付金を不当に削減する連邦年金改革に反対し、業務を通常の営業時間内に制限している。

 

ベルギー政府とパイロット組合の交渉は依然として膠着状態にあり、どちらの側も妥協の兆しを見せていない。欧州のコンテナ輸送とエネルギー輸送の主要拠点であるロッテルダムとアントワープで同時に混乱が発生したことで、荷主や物流業者の間では欧州流通網への遅延の懸念が高まっている。

 

アントワープ港への入出港は、10月13日(月)現地時間19時30分から10月15日(水)午前7時30分まで停止される。この混乱は、10月14日のベルギー全国ストライキ(バス、鉄道、航空)に伴い生じている。

 

今後の推移を注意深く見守りたい。

 

 

(IRuniverse H.Nagai)

世界の港湾管理者(ポートオーソリティ)の団体で38年間勤務し、世界の海運、港湾を含む物流の事例を長年研究する。仕事で訪れた世界の港湾都市は数知れず、ほぼ主だった大陸と国々をカバー。現在はフリーな立場で世界の海運・港湾を新たな視点から学び直している。

 

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