2025年10月中旬~10月下旬のレアアース市況は横ばい。中国が10月9日にリサイクル技術も審査対象にするなどレアアース輸出規制の強化を打ち出した。ベトナムもレアアース鉱石の輸出禁止を検討していると伝わり、台湾も囲い込み姿勢が報じられた。世界のレアアースの流通システムに変化が訪れるとの不安から様子見気分が広がっている。
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■ベトナムは鉱石輸出禁止を検討、台湾は自給率引き上げ急ぐ
レアアースを中心に資源が武器化される中、囲い込みへの動きが強まっている。ベトナム現地紙のVNエクスプレスの10月15日の報道によると、同国の国会常務委員会は10月14日の会議で、未加工のレアアース鉱石の輸出禁止を含む法改正を検討した。
法改正では、これまで地方自治体に委任されていたレアアースの探査、採掘、加工に対する独占的な権限を中央政府に与え、国家が承認した組織・企業のみがレアアース産業に従事できるようにする。政府はその代わりに地質調査と探査に直接的に資金を提供する。国防や安全保障の確保に加え、環境面に考慮した持続可能な産業発展を目指すためという。
一方、台湾はレアアースの自給を2030年までに内需の3分の1程度まで引き上げる模様だ。経済産業部の高官の話として、NNAアジアが10月20日に伝えた。
ロイター通信などの10月14日までの報道によると、台湾当局は10月9日の中国の輸出規制強化について、「同国の半導体産業への影響は軽微」との見方を示していた。
■中国のレアアース価格は8月以降調整
中国の業界団体である中国稀土協会日次で発表しているレアアース価格の平均値は10月21日に201.9と、前日の202.2から下落した。8月下旬の233を直近高値に調整局面が続く。10月は国慶節・中秋節の連休明けほどなくして節目の210を割り込み、その後も心理悪化が続く。
中国レアアース指数の推移
(出所: 中国稀土協会)
■ネオジム110ドル挟み小動き
金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)
磁石向け需要が多い軽希土類の金属ネオジムは10月16日に仲値$110/kgを付けた。9月から$110を挟みほぼ横ばい圏での推移が続く。
■すべて9月4日から横ばい
金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)
金属ランタンの価格推移(99% FOB China)(S/Kg)
金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)
他の鉱種は9月4日から1か月以上に渡り横ばい。
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●10月18日
中国税関総署が10月18日に発表した9月の貿易統計月報によると、同国の9月のレアアース製品の輸出量は前年同月比7.6%増の1万538トンで、増加率は8月の19.6%増から大きく鈍化した。先行して発表していた速報値でも9月のレアアース輸出は減速しており、審査が滞っている可能性が指摘されていた。
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●10月13日
オーストラリア資源のABxグループは10月13日、豪タスマニア(TAS)州北部で開発中の混合希土類炭酸塩(MREC)サンプル生産の結果を発表した。同社はレアアース事業の開発、フッ素廃棄物リサイクル、ボーキサイト資源の採掘などを手掛ける。
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●10月8日
豪資源のビクトリー・メタルズ(Victory metals)は10月8日、西オーストラリア(WA)州での重希土類プロジェクトの調査が完了したと発表した。同社は住友商事に重希土類を提供する。
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(IR Universe Kure)