オーストラリア資源のサンライズ・エナジー・メタルズ(Sunrise Energy Metals Limited、本社:メルボルン)は10月24日、上場するオーストラリア証券取引所(ASX)で、「米防衛・宇宙開発のロッキード・マーティンと、レアメタルのスカンジウムを供給するパートナーシップ契約を結んだ」と発表した。最初の5年間にサンライズの生産量の25%を供給する。
■年間15トンを供給、ロッキードの需要充足へ
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10月20日の米豪首脳会談で交わされた重要鉱物の供給に関する両国間の合意に基づき、パートナーシップを締結した。実現すれば、サンライズは最初の5年間にロッキードに対し、年間15トンのスカンジウムを供給する。これは同社の予測年産量の25%に当たる。さらに両社はロッキードのスカンジウム需要量を評定した上で、ロッキードの需要充足とサプライチェーン(供給網)の確立に尽力する。
サンライズは豪南西部のニューサウスウェールズ州で、スカンジウム生産に向けた「サイアストン・スカンジウム・プロジェクト」を展開する。同プロジェクトは探査や州政府による認可などの開発準備は整っているが、実際の生産はまだ。
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■生産量少ない希少鉱物、現在は中国が精錬を掌握
スカンジウムはアルミニウムとの合金で生じる高機能素材として、航空宇宙用部品などに用いられる。単体での採掘はなく、ボーキサイト、ニッケル、チタン、ウランなどの副産物として生産される。
JOGMECの7月時点のレポートによると、世界全体の酸化スカンジウム年間生産量は、2022年時点で約15トンと、生産量が非常に少ない。主要生産国は中国、ロシアなどで、精錬はそのほとんどが中国で行われている。今回のサンライズによるロッキードへの供給は、米豪両国が目指す脱中国依存の一環でもある。
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(IR Universe Kure)