電気自動車(EV)向け車載電池材料のリサイクルを手掛ける米アセンド・エレメンツ(本社:米マサチューセッツ州)は11月12日、自社ホームページ上で、「シンガポール資源大手トラフィグラとの間で、炭酸リチウムの供給契約を結んだ」 と発表した。2027年から2031年の5年間間に、計1万5000トンの炭酸リチウムをアセンドからトラフィグラに向けて納品する。


契約額は非公表。アセンドは廃リチウムイオン電池から低炭素炭酸リチウムを抽出・精錬し、特許技術の「ハイドロ・トゥ・カソード・プロセス技術」を用いて炭酸リチウムを製造する。トラフィグラはそれを所有するネットワークを通じ欧米を中心とした世界で販売する。アセンドのトップは、発表資料中で今回の提携について「炭素、コスト、地政学的リスクを削減しながら、回復力のあるバッテリーサプライチェーン(供給網)を加速するものだ」と述べた。
アセンドは米国の電池リサイクルのトップクラス企業。リチウムイオン電池のリサイクルと正極材の生産を手掛ける。目玉技術の「ハイドロ・トゥ・カソード・プロセス技術」は湿式製錬技術の1種で、廃電池内のニッケル、コバルト、マンガンを個別に分離せず、効率的に直接作製する。リサイクルされた正極活物質は、採掘された原料から製造する場合と比べて二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に低減できるとされ、抽出されるリチウムなどもバージン材料と遜色ないとしている。
同社は2023年、ホンダとの間で、米国内でのバッテリーリサイクルでの協業で基本合意している。
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(IR Universe Kure)