インド政府は11月26日、レアアース磁石の生産計画である「焼結希土類永久磁石製造促進計画」を承認した。予算として728億ルピー(訳1271億円)を確保する。旺盛な国内需要を賄うとともに、レアアース磁石の生産国として世界のサプライチェーン(供給網)の中で主役レベルになることを目指す。
■垂直型の製造施設の設立を支援
レアアース酸化物を金属に、金属を合金に、合金を完成品に変換する垂直型のレアアース磁石の製造施設
の創設を支援し、年間6000トンのレアアース磁石を国内で生産できるようにする。同計画の期間は7年間で、5年間の製造準備期間、2年間の販売インセンティブ期間とし、国際入札で落札した5業者に事業を割り当てる。予算のうち一部は販売インセンティブ用に充当する。
■脱中国依存で旺盛な国内需要に対応へ
インドは世界5位のレアアース埋蔵量を誇るが、レアアース磁石の多くを中国からの輸入に頼る。このため、2025年春には中国のレアアース輸出禁止に伴い国内の自動車産業が混乱し、日本向け輸出を一時停止するなどした経緯があった。危機感を強めたインド政府は、レアアースの脱中国依存と国産化・サプライチェーンの多角化に向け動いている。
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さらに、急増する国内需要への対応も急務だ。発表資料で同国政府は、「電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、産業用途、家電製品からの急増需要に牽引され、インドのレアアース磁石の消費量は2025年から2030年までに倍増すると予想される」と述べた。既に、インド政府は2025年初めに重要鉱物の国産化を目指す長期計画を発表していた。今回のレアアース政策はこの長期計画に沿ったものとされる。
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(IR Universe Kure)