2026年1月初めまでのバナジウム価格は横ばい。五酸化バナジウム、フェロバナジウム価格はともに2025年12月19日から動きがない。2025年末はメーカーが強気な高値を打ち出したが調達先が応じず、結局、年末の資金回収需要からメーカー側が折れる形となり価格は横ばいとなった。休暇明けは綱引きが激しくなりそうだ。
■鉄鋼需要の弱さで10年ぶりの安値水準
過去3か月間の五酸化バナジウム価格の推移(V205 fob China)($/lb Vo205)

五酸化バナジウムは12月19日に仲値$4.995/lbを付けた。2024年10月下旬以来の高値水準となる。2025年秋まで市況悪化を受けて生産を絞っていたメーカーが多く、秋以降は、供給が一時的にひっ迫しているとの見方が広がっていた。Ferroalloynetの12月26日の週刊レポートによると、このため「中国のバナジウム採掘企業は、12月下旬に強気の価格提示をした」という。
しかし、最終用途である鉄鋼需要が低迷しバナジウム需要自体が回復しているわけではなかったため、取引先企業の反応は鈍かったという。年末で取引自体が減少する中、採掘企業側は資金回収需要に迫られ、中小型のメーカーから取引価格を引き下げた。結果として、価格は横ばいが続いたとみられる。
過去3か月間のフェロバナジウム価格の推移(V78%min US$/kg EU)($/kg)

鉄鋼向けのフェロバナジウムも12月19日に$23.75/kgを付け、その後は横ばい。10月16日-11月6日の3週間を仲値$23.575/kgで推移し、ここを直近安値として小幅に反発していた。しかし、微調整の範囲内で、上値も重い。
バナジウム市況は五酸化バナジウム・フェロバナジウムともに、中長期で見れば2022年春をピークにじり安が続く。水準としては2016年以来ほぼ10年ぶりの安値水準にある。
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12月31日

中国国有大手の中国長江三峡集団は12月31日、SNSの「三峡小微」上で、「新疆ウイグル族自治区で建設していたバナジウム酸化還元流電池(VRFB)エネルギー貯蔵発電所が、フル稼働を開始した」と発表した。定格出力20万キロワット(kw)、蓄電規模100万キロワット時(kwh)を有し、中国国内で現在稼働中の同様の施設として最大規模となる。
(IR Universe Kure)