ブラジル資源大手のヴァ―レがインドネシアでの採掘事業を一時停止している。ロイター通信が1月2日に同社の発表として伝えた。インドネシア政府が2025年末、2026年にニッケル生産を減らす方針を示し、ヴァ―レが政府に提出した「企業の作業・予算計画(RKAB)」の承認も遅れているという。世界のニッケル供給への影響が現実味を帯びてきた。
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■生産割当、当局は「現在統合中」
報道によると、ヴァ―レは「この遅延が全体的な運用持続可能性を損なわないと考えており、2026年のRKAB承認が近い将来発行されると見込んでいる」との見方を示した。一方、鉱山当局の高官は2026年のニッケル生産割当について「現在統合中」と答えたという。
インドネシアは2025年末、鉱業相が、需要と供給の均衡を改善し価格を押し上げるため2026年に鉱山の生産割当を削減する、と話したと伝わっていた。
■猫の目RKAB、企業は振り回されがち
インドネシアの鉱山採掘は割当制で、採掘企業はすべて政府にRKABを提出する義務がある。ただ、このRKABは当局がたびたび規定を変えており、現地企業は振り回されがちだ。特にニッケルを巡っては、インドネシア政府が単純な資源国から製造立国への転換を目指して加工業に注力する中、採掘が規制されやすい。
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インドネシアはニッケル鉱石の輸出は2020年から停止しているが、精錬品は輸出している。また、鉱石供給への不安は精錬価格にももちろん影響する。
インドネシアの政策不安から、ロンドン金属取引所(LME)のニッケル価格は年末年始に急騰した。1月6日価格は$1万6745/ton。1月2日には$1万6765を付け、12月16日の直近安値($1万4125)からの上昇率は18.7%に達した。
過去3か月間のLMEニッケル価格の推移($/ton)

(IR Universe Kure)