2026年1月第2週の中国のニッケル銑鉄とニッケル鉱石価格はまちまち。銑鉄価格が上昇した一方、鉱石価格は2025年夏から動きがない。精錬価格は乱高下しており、生産国であるインドネシアの産業動向に不透明感が続く中、ニッケル全体の動向も見極めにくい。
■銑鉄2%高、鉱石は動かず
過去3ヶ月間のニッケル銑鉄価格の推移(NPI content 10-15% China)(RMB/Nickel/MTU)

中国のニッケル銑鉄価格は1月9日に高値RMB930/MTUと2025年11月下旬以来の高値を付けた。前日からの上昇率は2.2%とやや大きかった。11月28日-12月11日までの直近安値(RMB895)を底に、価格は回復している。
1月9日の上昇は、世界的な金属相場の上昇の流れに乗った面がある。さらに、上海有色網(SMM)は1月9日までのレポートで、ニッケル銑鉄市況について「インドネシア産の銑鉄輸入が鈍る可能性があるとの見方がある。また年末にかけては中国の大手精錬所の一部が在庫補充のために調達を増やした時期があり、市場心理が改善していた」と指摘した。特に高品質の銑鉄が買われているという。
過去3ヶ月間のニッケル鉱石価格の推移(1.8min CIF China)($/ton)

一方、中国のニッケル鉱石価格は2025年6月19日に付けた仲値$77/tonから半年以上も横ばいが続く。水準としては2024年1月以来の高値水準となる。
■精錬価格、インドネシア不透明感で乱高下
過去3か月間のLME($/ton)とSHFE(RMB/ton)のニッケル価格の推移

精錬相場は乱高下している。生産国であるインドネシアの政策不透明感が意識され、投機筋による売買が活発化している。
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インドネシア政府は、ニッケル鉱石の年間採掘枠(RKAB)について、2026年に約2億5,000万トンとする案を提示していると海外メディアが報じた。これは2025年の承認量で(約3億7,900万トン)から約34%削減した量となる。同国はニッケル製錬所の新設にもストップをかけていると伝わっていた。
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RKABの不透明感を受け、ブラジル資源大手のヴァ―レがインドネシアでの採掘事業を一時停止しているとも伝わった。企業活動への影響も懸念されている。
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12月23日
石原宏高環境相は12月23日、廃棄されたリチウムイオン電池(LIB)による火災事故の増加を受け、発火防止とリサイクル推進を目的とした包括的な対策パッケージを公表した。LIBにはニッケルが含まれ、再利用にも結び付く。
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12月4-5日
SMMは12月4日-5日、ベトナム・ホーチミン市で国際会議「2025 SMM APAC 鉛蓄電池産業会議(LABC2025)」を開催した。MIRUはメディアパートナーとして参加した。
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11月27日
日本鉱業協会が11月27日に開いた定例会見で、同協会の田中徹也会長はニッケル市況について、「電池需要の伸びが限定的である一方で、中国で地金が増産され、余剰品がLME 倉庫に持ち込まれていることなどが相場の上値を抑えている」と指摘。「今後も同様の傾向が継続する可能性がある」との見通しを示した。
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(IR Universe Kure)