Loading...

タングステンAPT価格が1000ドル乗せ 高値1050ドル、春節前に供給不安加速

2026/01/24 17:07
文字サイズ
タングステンAPT価格が1000ドル乗せ 高値1050ドル、春節前に供給不安加速

 タングステンがついに節目を超えた。ベンチマークのタングステンAPT価格は1月23日に高値$1050/MTUと、$1000の大台に乗せた。仲値でも$1018を付けた。中国の輸出規制から1年近くが経過した。中国国内でもタングステンは枯渇しており、国内外で奪い合いの様相だ。供給不安が強く、価格は天井知らずに上げている。

 

■春節前調整、中国需給はミスマッチ

過去3か月間のタングステンAPT価格の推移($/MTU)

 

 タングステンAPT高値は2026年に入ってからのわずか3週間で16%値上がりした。上海有色網(SMM)は1月20日付のレポートで足元の中国国内のタングステン市場について、「2月半ばの春節(旧正月)を前に安全管理や環境保護関連の管理のため、中国内の鉱山が減産を予定している」と指摘。一方で、「調達先は休暇前に在庫を補充しておきたいため、生産者側の強気な交渉が可能になっている」とも分析した。実際、中国の一部タングステン企業は長期契約価格を引き上げたという。

 

■25年の輸出量2割減、1月以降は対日禁輸も影響か

 国際市場に出回るタングステンはさらに細っている。中国税関総署が1月20日に発表した2025年12月の貿易統計月報によると、2025年のタングステン輸出量は1万2623トンと、前年比23.7%減った。中国は2025年2月4日にタングステンの輸出規制を開始した。後も夏にはやや回復したが、秋以降は再び落ち込んでいる。

 

関連記事: 中国タングステン輸出量、12月は41.1%減 APT上昇続く、今月1000ドル乗せか

 

 1月以降のタングステン輸出を巡ってはさらに悪材料も懸念される。中国が1月6日に打ち出した軍民両用品の輸出禁止の対象に、タングステンが含まれる可能性があるからだ。もし対日制裁の影響が及べば、1月の中国のタングステン輸出量は再び落ち込む可能性もある。

 

関連記事:中国禁輸、「日本のメディアは騒ぎすぎ」専門商社幹部 レアアースは想定内、タングステンに警戒

 

■スクラップも発生不足で値上がり

 

過去3か月の純タングステンスクラップ価格の推移(99% of Japan)($/kg)

 

 バージンタングステンが出回らない以上、スクラップに注がれる視線はいよいよ熱い。しかし、タングステンはスクラップも高騰中。純タングステンスクラップ価格は1月23日に仲値$153.5/kgを付けた。2025年12月に$100の節目を超えてから値上がりが加速している。

 

関連記事:【年末企画 レアメタル系スクラップ】 下げのチタン、上げのタングステン

 

 スクラップを巡っては、「世界的な景気低迷でスクラップの供給源となる廃車の発生が鈍い」(タングステンを扱う日本の商社の幹部)との声もある。一方で、兵器向けなどの需要もありタングステン需要は堅調だ。節目を超えた後もタングステン価格が下落する未来はなお見えにくい。

 

(IR Universe Kure)

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング