アフリカ南部のジンバブエの鉱山・工業開発省は2月25日、ホームページ上で、「リチウム濃縮物および他の未加工鉱物の輸出を即時停止する」と発表した。輸送中の貨物も対象となる。国内産業の再編と加工業への移行促進が目的。
プレスリリース:PRESS-STATEMENT-ON-EXPORTS-1.pdf
■新たな法規制の整備まで暫定禁輸
輸出禁止の対象となるのはリチウム濃縮物すべてと、クロムなどの未加工鉱物。同省は近く鉱物の輸出規定について会合を開く予定で、輸出禁止は法律面が整うまでの暫定措置とした。既にジンバブエ歳入庁(Zimra)やジンバブエ鉱物マーケティング公社(MMCZ)をはじめとする関連部門に、禁輸措置の実行を指示した。
新たな輸出規定では、輸出業者に与える輸出許可証の審査を厳格化する予定だ。同省は発表資料で、「有効な鉱業権を保有し、承認された選鉱プラントを持つ鉱業会社のみが鉱物の輸出を許可される」とし、第三者による申請などは認められないとした。また密輸や期限切れ・偽造の輸送許可証の使用などは重大な法律違反とみなすと釘を刺した。
■高付加価値視野に加工業への移行目指す
世界のリチウム生産量ランキング

(出所:JOGMEC)
ジンバブエはリチウム生産で世界6位で、アフリカ最大のリチウム生産国だ。ただ、輸出しているのは原材料であるリチウム濃縮物とスポジュメン鉱石で、電気自動車(EV)の車載電池に不可欠な加工品の炭酸リチウムは生産していない。このため、EVブームによる恩恵を十分に受けていないとの考えから、ジンバブエ政府はもともと、2027年にリチウム濃縮物の輸出を禁止し、加工業への移行を促進する考えだった。
ジンバブエのリチウム生産は中鉱資源集団などの中国企業が産業を握っている実態もある。地元では不満も強く、産業整備は現地企業や地域経済への恩恵を促進する意味もあるとみられる。
過去5年間のスポジュメン精鉱と炭酸リチウムの価格推移(豪州産、CIFベース、$/ton)(99.5% China、RMB/mt)

(IR Universe Kure)