3月2日13時、SWCCは、2月27日に発表した「中期経営計画」について、ウエブで説明会を開催した。説明に使われて資料はこちら。説明は小又CEOが行った。

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⇒「SWCC:中期経営計画説明会を開催(事業戦略・サステナビリティ)」
<中期経営計画>

〇中期計画 Transformation for Growth SWCC 2030 の策定にあたり(資料2-5ページ)
中期経営計画、今回のスローガンはTransformation for Growth SWCC 2030とした。これは、未来の成長に向けた変革を続けていくという思い。
同社は、今まで、ROIC経営を基に事業ポートフォリオ改革を行いながら構造改革を推し進めて、財務体質と稼ぐ力を大幅に強化してきた。
新しい中計においても、このROIC経営を続けながら、構造改革に加えて成長を加速させるROIC2.0を深化させていく。これにより、キャッシュ・フローの最大化を図っていく。
さらには、今年、BD戦略、M&Aを通してTOTOKUを同社はグループインさせた。このような新規領域、また、さらにはグローバルへの領域に拡大するべく、インオーガニックの成長も挑戦していく。
〇中期経営計画2030と2036年のありたい姿(同6-7ページ)
この中期計画を作成するにあたり、2036年のありたい姿を描いている。SWCC VISION 2036、エネルギーとデジタルの未来を創るグローバル・ソリューションカンパニーへグローバルに挑戦を続ける100年企業へということで、2036年は同社の創業100年を迎える年。目指すところは、営業利益800億円以上、営業利益率15%以上、ROIC18%以上。これに向かうマイルストンとして、2030年を目指す中期計画を策定した。
戦略として成長領域へのビジネスシフト、戦略2としてグローバル事業の強化を掲げている。
〇中期経営計画の変遷(同8ページ)
同社のROICは2019年から始めて、ガバナンスの改革、さらには2022年の中期経営計画ではROICを基盤とした事業ポートフォリオの改革を進めてきた。まさに事業改革の時代のROIC経営をやってきた。これにより、2018年、ROICは5.6%パーセントだったが、今年25年は12.3%までROICを改善するということになっている。
次の新規中期経営計画には、この構造改革の考え方に成長というフェーズに向かったROICの考え方を足し込んだ高度化を目指していく。
〇中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」の振り返り(同9ページ)
現中計は2026年をゴールとしていたが、主要なKPIを1年前倒しで達成する見込み。営業利益は260億円、ROEは14%以上を見込んでいる。ROICも先ほど説明した12.3%、配当金は200円として、配当性向も35%以上の目標に対し37%というところまで向上している。
純資産も1,000億円を超えることができ、外部格付けも同社として初めてA-(マイナス)、シングルA-を取得することができた。
この現中計での重要施策は3つ。キャッシュ・フロー創出力の強化、資本コストの最適化、無形資産への投資ということで、それぞれの目標もクリアする見込みで進んでおり、新しい中計においても、この3つの重点施策を継続する上で課題をまとめて、新たな中計の策定に取り組んできた。
〇中期経営計画2030 財務数値目標(同10ページ)
2030年に大きな成長を目指すものとなっている。営業利益400億円以上、こちらはオーガニック成長だけのものであって、インオーガニックは除いている。ROEも20%以上、ROIC15%以上、配当金についても380円として、配当性向40%以上と引き上げていく。
D/Eレシオは50%を中心地に、純資産も1,500億円以上ということで、A(フラット)の格付けを目指していく。
<財務・資本政策>
〇中期経営計画2030 財務・資本政策方針(同12ページ)
財務・資本政策を推し進めるにあたり、来年度から、同社として初めてCOFの組織を設置して強化していく。これにより、戦略的な資本配分を実行していく。
2030年の目標は、企業価値、株主価値の向上として、TSR(株主総利回り)の拡大に取り組んでいく。
株価の上昇、配当金の増加を目指し、TOPIXをアウトポファパームする目標を掲げていく。
エクイティスプレッドの拡大、株主還元の充実を基に、重点施策、キャッシュ・フロー改善では、EBITDAを9%から15%に引き上げて目標にした。資産効率の向上、資本コストの最適化というところに取り組んでいく。
〇ROIC経営1.0から、ROIC経営2.0への深化(同13ページ)
先ほど説明した通り、ROIC経営1.0構造改革というROICにおいては、改善のためのROICを用いてきた。不採算事業の撤退・整理などを進め、投下資本、分母を減らす、資産の圧縮として売却などを行ってきた。また、分子を増やす、営業利益を増やすというところは、収益性の改善、営業利益率の改善に努めて、ROICを改善してきた。
新たな中計においては、ROIC2.0として、進化させていく。今までやってきた構造改革をベースとしたROICは引き続きやりながら、成長を生むROICというものを足し込んでいく。
成長分野への戦略的な投資として、分母に対して投下資本を、成長事業への投資ということで投価資本を増やしていく。そしてそれによる利益、事業の成長を分子に足し込んでいく。これがROIC2.0の考え方。
〇キャッシュ・アロケーション
ROIC2.0で生み出すキャッシュについてのアロケーションについて。資料右側、26年から30年までの5年間の累計のキャッシュインは1,800億円を計画している。その多くは、事業から生み出す営業キャッシュ・フローで1,500億円、また資金調達で250億円、資産の売却で50億円というキャッシュインを計画している。
これに対するキャッシュアウトとしては、やはりメーカーとしての設備投資で560億円、成長投資、研究投資、DX投資、人的資本投資に配分していく。
そしてさらに、インオーガニックの成長を成し遂げる投資として800億円をアロケーションする。こちらは、M&Aを出力としたインオーガニックの成長事業への投資を強化していく。
そして、株主還元は440億円ということで、株主還元方針に基づいた株主還元を行っていく。
〇TSR拡大方針と定量目標(同15ページ)
TSRの拡大は、株価の上昇として収益性の向上、EPS(一株当たりの利益)向上と成長期待のPER(株価収益率)の掛け算だと思っている。
収益性は、ROIC2.0により、事業ポートフォリオの改革を引き続きやっていく。
成長事業領域へのインオーガニック投資として、先ほど説明した成長投資枠800億円を投下していく。それに加えて、配当の増加として株主還元、配当金をそこに足し込んだことによってTSRの拡大を目指していく。
目指すのは、TOPIX、配当込みをアウトパフォーマンスすることを目標としていく。
<事業ポートフォリオマネジメント>
〇事業ポートフォリオマネジメントの強化(同17ページ)
同社の事業ポートフォリオマネジメントは、ROICを用いて、横軸に収益性、ROIC-WACC、ROICスプレッドを用いる。縦軸に成長性、売上高CAGRを用いて、事業ポートフォリオの最適化と構造改革を推進していく。
こちらにおいては、ハードルレートを持って、ROICスプレッドは3%を超えること、売上高CAGRは3%を超えることというものをハードルレートに置いた。
成長投資を強化し成長を加速する成長事業、安定的なキャッシュ・フローの創出を目指すキャッシュ・カウ事業、今後の成長を目指し新規事業へ投下資本を行う新規事業、そしてハードルレートであるROICスプレット3%を超えていない事業に関しては課題認識という形で位置付けしている。
〇事業ポートフォリオ戦略
●成長事業(同18ページ)
高収益が見込まれる成長事業へは成長投資を重点的に行っていく。まさにROIC2.0の考え方を持って事業規模を拡大していく。
成長事業には、1つ目に電力インフラ事業。こちらの事業は追い風として、グローバルに電力市場が拡大していること、また、データセンター市場の拡大、日本では老朽化設備の更新などが追い風となっている。これに対して、同社の戦略製品である電力機器、接続部品であるSICONEXやSmart Streemなどの新しい事業を持って基本戦略を立てている。
2つ目に通信(海外向け)。こちらは追い風として、グローバルでAIの普及またはハイパースケールデータセンターの拡大などがあり、通信トラフィックはますます増加しており、同社の戦略製品として光ファイバーe-Ribbonを用いてグローバル展開の基本戦略を掲げていく。
もう1つ、半導体事業で、今年M&Aで獲得した、まさにTOTOKUの事業を中心とした成長を目指していく。追い風とする事業環境としては、AI関連投資の活発化ではデカップリング化による市場の拡大などが追い風となりと、製品であるコンタクトプログ、RUOTAというようなケーブルを持って基本戦略を展開していく。
●キャッシュ・カウ事業(同19ページ)
成熟市場である国内の建設関連事業においては、安定したキャッシュを創出する事業としてキャッシュ・カウ事業に位置付けていく。
日本の建設関連市場にはエネルギーを送るケーブル、またデータを送る通信ケーブルというところが市場としてあるが、国内では少子高齢化によっては中長期的には横ばいである市場。こちらはグループ経営のリソースを効率的に配置してキャッシュを創出する事業として、こちらで生まれ出したキャッシュを成長事業へと振り向けていく。
●刷新・課題事業(同20ページ)
こちらは、先ほど説明した通り、ROICスプレッド3%を現在超えていることができていない事業。この5年間を待たずして、前半の2年間においてこの事業の見極め時期を定めており、27年をその時期としたいと思っている。
1つは、刷新を目指すモビリティということで、市場の成長性はあるものの、ROICが今稼げてないということで、無酸素銅、ヒータ線、平角巻線などがそのモビリティ事業の中に構成されている。
こちらの方は、生産効率を上げていく、また付加価値のある製品を開発していくということで、利益率を上げるとともに、投下資本のコントロールをしっかりと指して、ROICの向上を目指したい。
もう1つは、産業用ということで、市場の需要はそれほど高くなっていかないが、こちらに関しては、汎用線材・巻線、ワイヤハーネス、ローラーなどという製品に対して、不採算製品の撤退や生産拠点の再編などを行いながら、利益率の改善、また投下資本の圧縮ということを目指してROICの向上を行っていく。
(IRuniverse 井上 康)