Loading...

2026年1月 粗鉛(ブリオン)輸出統計分析 前年同月超えで強含みスタート

2026/03/20 16:37
文字サイズ
2026年1月 粗鉛(ブリオン)輸出統計分析 前年同月超えで強含みスタート

関連記事
【貿易統計/日本】 2026年1月の電気鉛輸出入推移一覧表

 

鉛バッテリースクラップ市場近況2025#8 12月の最盛期入りで続伸――発生薄、中華系精錬の再稼働が背景に
鉛バッテリースクラップ市場近況2025#9 仲値、高値ともに続伸――東西で中華系の動きが活発に
鉛バッテリースクラップ市況#10 上値試す展開続く――安値・仲値の底上げ進む
鉛バッテリースクラップ市況2026#1 発生増の冬場に続伸――巣鉛主導の相場展開に
鉛バッテリースクラップ市況2026#2 高値120円の異例相場――巣鉛主導の相場展開がトレンドに


為替レート動向 TTS 3ヶ月物


 

(詳細分析)
■数量ベース
2026年1月は 5,204トン、
m/m86%と前月(6,031トン)からは反落したものの、
y/y136%と前年同月を大きく上回る水準。
年初としては高水準を維持しており、
→基調としては強含みでのスタート。
________________________________________
■主要輸出先別
●中国向け
3,329トン、
m/m80%と前月から減少も、y/y360%と大幅増。
全体に占める比率は約64%。
→ 引き続き圧倒的な主力市場。
________________________________________
●韓国向け
647トン、
m/m69%と減少も、y/y126%と前年超え。
→スポット需要の範囲ながら一定水準を維持。
________________________________________
●台湾向け
650トン、
m/m344%と前月から急増、y/y223%と大幅増。
 一時的ながら調達回復の動き。
________________________________________
●ベトナム向け
ゼロトン(前月301トンから消失)。
→ 継続性のないスポット輸出にとどまる。
________________________________________
●タイ向け
9トン(ほぼゼロ水準)、
m/m900%ながら絶対量は僅少。
→ 低迷継続。
________________________________________
●インド向け
546トン、
m/m121%、y/y39%。
→低位ながら回復基調。
________________________________________
●その他
23トン(小幅発生)。
→ 実質的には収束状態。
________________________________________
■総括
1月は前月から数量は反落したものの、前年同月比では大幅増となり、
屋→ 高水準での年初スタートとなった。
構造的には
•    中国向けが6割超を占める主導的地位を維持
•    台湾・インドに回復の兆し
•    韓国は補完的需要にとどまる
•    その他地域は不安定または低迷
と、
中国中心・その他分散型の輸出構造が一層明確化
している。
特に中国向けの高水準維持が全体を下支えしており、
→ 当面は中国依存度の高い需給構造が継続する可能性が高い。

(表1、グラフ1)。
 



 

■前月(12月)と当月(1月)の数量構成比:
•    中国:69% → 64%
•    韓国:15% → 12%
•    台湾:3% → 12%
•    ベトナム:5% → 0%
•    タイ:0% → 0%
•    インド:7% → 10%
•    その他:0% → 0%
________________________________________
■補足的整理
1月は中国向けが引き続き最大シェアを維持するものの、前月の約7割からやや低下し6割台前半へ。
一方で、
•    台湾向けが急回復(3%→12%)
•    インド向けもシェア拡大(7%→10%)
と、一部で分散化の動きが見られる構成となった。
ただし、ベトナム向けは再びゼロとなり、その他も含めて補完的市場は限定的で、
→ 基調としては中国中心構造を維持しつつ、周辺市場が短期的に振れる展開といえる。

(グラフ-2)。


■金額ベースでは、
2026年1月単月は15億93百万円で、
前月比 88% と減少したものの、前年同月比では 140% と大幅増。
2025年1-12月累計は161億92百万円、前年比107%。
年末にかけて増勢を強めたあと、1月は反落したが、なお高水準を維持した。
対前年では、数量同様に中国向けの大幅増加が全体を強く押し上げている。
2026年1月の中国向けは 10億24百万円、前年同月比 366% と急増し、全体の約64%を占めた。
一方で、
•    韓国向けは 1億92百万円(前年同月比124%)
•    台湾向けは 1億91百万円(同225%)
と増加。
他方、インド向けは 1億65百万円(同42%)にとどまり、前年を下回った。
総じて1月は、前月比では減少したものの、
→ 中国向けを主因に前年同月比では大幅増を維持した。

(表2、グラフ3)。
 



 

■全体のキロ当たり平均FOBは
前月 302円 から当月 306円 へ上昇し、3カ月続伸。
________________________________________
■主要仕向け地別FOB動向
•    対中国:302円 → 307円へ上昇
•    対韓国:298円 → 297円へ小幅反落
•    対台湾:292円 → 294円へ上昇
•    対タイ:1,282円 → 476円へ大幅反落(前月スポット高値の反動)
•    対インド:306円 → 302円へ小幅反落
•    その他:実績なし → 745円(スポット的高値)
________________________________________
■外部価格動向
•    LME鉛:1,942ドル →1,998ドル 小幅上昇
•    ブリオン国際価格:1,844ドル →1898 (同様に小幅上昇圏)
•    ■総合評価
•    1月は全体平均FOBが続伸し、300円台半ばへ到達。
•    中国向けの上昇が全体を牽引した一方で、韓国・インド向けはやや調整。
•    タイ向けは前月の異常高値から反落し、
•    一方で「その他」にスポット的な高値が発生するなど、
•    → 個別案件による価格の振れを伴いつつも、全体としては底堅い上昇基調を維持。
•    為替の円安基調も背景に、
•    →ドル建てでは横ばい~小幅上昇程度の動きとみられる。
(グラフ4と5)。
 



ブリオン国際価格推移(USD/T)3カ月

 

主要税関別数量とFOB(円/Kg)実績(カッコ内は前月実績)

主要国通関別数量・FOB(JPY/Kg)( ):前月


■今後の展望
•    中国向け主導は継続
輸出の6割前後を占める構造は当面維持され、全体需給は中国の調達動向に大きく依存。
•    数量は高水準も変動性大
スポット性が強く、月次では4,000~6,000トンレンジで上下する展開。
•    韓国・台湾は補完的ポジション
韓国は在庫・採算次第の断続輸入、台湾は回復局面もあるが安定性に欠ける。
•    価格は底堅いが上値は限定的
円安が下支えする一方、LME・ブリオンの伸び悩みで300円/kg前後のレンジ相場を想定。
•    リスク要因
中国の輸入規制・環境政策、為替反転が生じた場合、数量・価格ともに振れ幅拡大の可能性。
→総じて、
「中国依存の高水準・変動型市場」が当面の基本シナリオ。

(IRUNIVERSE  S. Aoyama)

 

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング