三菱マテリアルグループの小名浜製錬は25日、2027年3月末をめどに銅精鉱処理を停止すると発表した。「60年以上にわたって銅精鉱を原料に電気銅を生産してきたが、鉱山会社から銅精鉱を購入する際の条件(TC/RC)が大幅に悪化、今後の見通しも不透明な状況にある」ためと、決定に至った理由を明らかにしている。
同社は1965年に日本初の共同銅製錬所として操業を開始。以来、設備の拡張・更新・改良を実施しながら、銅精鉱を原料に電気銅を生産してきていた。今回の決定の背景について、 「一部の工程を停止して固定費を削減するなどのコスト削減対策を実施し、収益性の確保に努めてきたが、抜本的な事業構造の変革を図るため、当社の親会社である三菱マテリアル株式会社及び当社は、主要製錬設備の稼働を停止し、2027年3月末を目途に銅精鉱の処理を停止することを決定した」としている。
今回の停止に伴い、「E-Scrap(廃電子基板)、シュレッダーダスト等の産業廃棄物の処理については、受入停止もしくは当社以外の三菱マテリアルグループ生産拠点への振替を行うことを予定している。また、三菱マテリアルグループの銅アノード及び当社で処理するスクラップ由来の銅アノードを精製するため、現在稼働中の電解工場は引き続き操業する」と説明している。
さらに、白金やパラジウムのリサイクルと精製を行うPGM工場や、三菱マテリアルグループの伸銅品事業向けインゴットを製造する鋳造工場など、銅精鉱処理に直接関係しない設備についても稼働を継続するという。
今回の発表を踏まえて検討中であったリサイクル用前処理施設の導入計画は中止する。
親会社の三菱マテリアルも同日、小名浜製錬に対する増資を決議したと発表した。銅製錬処理の停止に伴って減損損失が発生、債務超過となる見込みである」ためで、貸付金について210億円を上限に、同社の普通株式に転換するという。
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(IRuniverse G・Mochizuki)