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王道のステンレスから他の素材に—食品機械製造における変化の兆し

2026/06/06 00:35
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言うまでもなく、食品関連機器の素材にはステンレスが使用されることが多い。それは、耐食性・衛生性・耐久性の三拍子が揃っているためだ。食品由来の酸、塩分、洗浄剤(アルカリ・酸性・塩素系)にさらされても錆びにくく、長期間使用できるほか、表面が滑らかで細菌が付着しにくく耐久性も一定のレベルを保っており、食品の腐敗や異物混入に敏感な食品製造現場にとって最適な素材といえる。だが、最近はステンレスから他の素材へシフトする動きもみられるようだ。

 

6月2~5日にかけて東京ビッグサイトで開催された食品製造総合展示会「FOOMA JAPAN 2026」でもステンレスに覆われた食品機械が会場を埋め尽くしていた。鉄を使用していた天板部分を仕様変更し、オールステンレスにした食品ミキサーや、新発売のステンレスホースリールなども展示されており、ステンレス化の動きはいまだ衰えていないともいえる。

 

機械の中で回転する「軸」を滑らかに支え、摩擦を軽減する部品である「ベアリング」も例外ではなく、現状は「99%がステンレス製」とあるブースのスタッフは語る。

 

そんな環境下で、鹿島化学金属(大阪市)が訴求したのは特殊環境下で活躍する樹脂(プラスチック)製のベアリングだ。ラインアップはいくつかあるがいずれもステンレスの欠点を補う機能性を訴求した。

 

 

プラスチックベアリングの主なメリットとしては「腐食しない」「潤滑油が不要」の2点が挙げられる。ステンレスはその中に含まれるクロムが表面に保護膜を作り、内部の金属が酸素や水分と反応を起こすのを防ぐため、金属の中では錆びにくい部類となるが、決して錆びないわけではない。水分の少ない食材の加工機械などでは影響は少ないが、野菜洗浄機など、常に水にさらされる環境下であれば、錆びのリスクは大きくなり、メンテナンスや修理・部品交換が定期的に必要となる。その問題を解決するのがプラスチックベアリングとなる。

 

また、ステンレス製ベアリングの場合は潤滑油として、食品機械用のグリースを塗布することが多いが、アイスクリームの製造ラインなどの場合、マイナス温度環境下での使用となるためグリースが固まり、回転不良につながるケースも多い。その点、プラスチックベアリングはグリースなしで使用できるため、劣化の危険性は低いといえる。

 

 

また、ある食品加工機器メーカーによれば、製造コストを下げるため、部分的にステンレスから鉄製に仕様変更するケースもあるという。

 

あくまで、電気代や物価高を加味しての取り組みであり、ニッケル相場の影響などによるステンレス価格の上昇が理由ではないとのことだが、今後の状況次第では、ステンレスから他の素材への仕様変更が進行する可能性も否定できない。

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

Kota Kuribara

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