DOWAホールディングスは30日、子会社のDOWAエコシステムが、使用済みリチウムイオン電池(LIB)からニッケル・コバルト硫酸塩の回収プロセスを開発し、正極材メーカーへの直接販売に向けた実証試験を開始したと発表した。使用済みLIBの発生量の増加が見込まれる中、使用済みLIBの安全な処理から原材料の精製までを含む一貫したリサイクルプロセスの確立と回収技術の高度化を通じて、レアメタルの安定供給を目指す。

DOWAホールディングスは、自社の廃棄物処理設備で安全に処理した使用済みLIBから、正極材原料であるブラックマスの回収において、国内有数の実績を有している。これまで、ブラックマスに含まれるリチウムは炭酸リチウムとして回収し、実証実験を通じて正極材用途への適用可能性を確認してきた。
このたび新たに、ブラックマスからニッケル・コバルト硫酸塩を回収するプロセスを開発したことで、LIBに含まれる主要レアメタル(リチウム・ニッケル・コバルト)の回収について、一連のリサイクルプロセスを構築。欧州電池規則において、2030年までに回収目標値を定められている使用済みLIB中のすべてのレアメタルの回収が可能となる。同プロセスで回収したニッケル・コバルト硫酸塩は現在、正極材メーカーへのサンプル供給および性能評価を進めているという。
なお、同プロセスは、DOWAエコシステムの保有するブラックマス回収技術と、DOWAエレクトロニクスの保有する精製技術の連携により確立したものです。現在、一連のリサイクルプロセスについて特許申請中だ。
今後は実証プラントの運転安定性や品質の検証とともに、正極材メーカーへのサンプル提供を通じた評価を進めることで、将来的な増産に向けたスケールアップを図っていく。また、国内のみならずグループの海外拠点への展開も視野に検討を進める方針だ。

(IRuniverse K.Kuribara)