2026年7月のチタン原料市場は下落が目立つ。例年のオフシーズン入りで全体の取引が低調となり、最終需要の鈍さから塗料向けの二酸化チタンと合金向けスポンジチタンがともに値下がりした。加工需要の減退を受け、原材料の鉱石価格は約7年9か月ぶりの安値に沈んだ。
■鉱石価格、先行きの値下がり観測強く
過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

鉱石価格は7月10日に$224.5/tonと2018年10月末以来の安値に沈んだ。長期のピークは2022年3月の$458で、ここから調整が続く。FerroAlloyNetは7月10日までの週刊レポートで鉱石価格について「加工需要が弱くチタン精鉱の問い合わせは少なくなっている。調達側に先行きの値下がり観測が強く、高値では買い手がつかない」と説明した。
過去10年間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

■塗料向け合金向けともに下落
過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTi02 93%min Fob China)($/ton)

精鉱価格の下落は、加工需要の6割を占める二酸化チタンの値下がりによるところが大きい。二酸化チタンは7月10日に仲値$2305/tonと、4月23日以来の安値を付けた。4月24日-4月29日の$2482.5をピークに調整が続く。
過去3か月間の一般産業向けスポンジチタン価格の推移( China)($/kg)

合金向けの一般産業向けスポンジチタンも下落基調だ。7月10日に$6987/kgを付けた。直近高値である6月12日-6月18日の$7121の水準を維持できなかった。FerroAlloyNetはスポンジチタンについて「調達企業側が在庫削減に注力したため新規注文が低迷した」と分析した。
■フェロチタンと四塩化チタンは堅調
一方、フェロチタンは7月に上昇。7月3日に仲値$565/kgと、6月上旬以来の高値を回復した。7月10日には高安が交錯し、安値が高値を上回る珍現象が発生した。四塩化チタンも6月下旬に値上がりした。ただこれらについてFerroAlloyNetは「堅調で価格に大きな変動はない」としており、目立つ反発とまでは言えない。
過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

過去3か月間の四塩化チタン価格推移(99.99%min EXW China)(Rmb/mt)

ルチルは小幅安。航空機向けスポンジチタンは2023年初めから横ばい。
過去3か月間のルチル価格の推移(95% Ti02 bulk Fob豪州)($/ton)

過去3年間の航空機向けスポンジチタン価格の推移($/kg)

<Topics>
7月14日

日本製鉄はチタン展伸材の2026年度下期契約分の販売価格を、一律100円/kg引き上げる。国内向けと輸出向けともに対象。値上げ幅は2%―2.5%となる。賃上げによる人件費コストの上昇を転嫁する。ヤフーニュースが7月14日に伝えた。
6月10日
オーストラリア資源のアーク・マインズ(Ark Mines Limited)は6月10日、「豪クイーンズランド州で採取された鉱物からチタンが分離できることが分かった」と発表した。二酸化チタンの含有率が73.5パーセントに達するとしている。