非鉄金属専門商社タックトレーディング(本社東京八王子、上島隆史社長)は17日、八王子市内のホテルで、創立30周年の記念式典を開催した。上島隆史社長の開会の辞で幕を開けた式典会場には、祖業のマグネシウムから、金属シリコン、金属マンガン類、希土類、アルミ線などへウイングを広げてきた、同社の歴史を活写した記念動画が映し出され、来賓の取引先関係者と創業者の上島隆会長らが30年の歩みを振り返る姿も見られた。
上島社長は開会の辞で、大学生時代に同社10周年記念パーティーに参加した経験を振り返り、「当時は、商社の仕事を何も分かっておらず、(料理を)おなか一杯食べたなという記憶しかない」と笑いを誘った。そんな隆史氏も2022年に隆氏からバトンを引き継ぎ、現在は、若きリーダー、最後に「中国の現地で様々な環境規制や突然発表される輸出規制などの状況下でも高品質な生産を供給し続けてくれた中国工場や輸出商社の皆様。地域紛争によるコンテナ不足や港湾倉庫のスペースひっ迫など様々な障害がある中で、大切な商品を守り、届けてくださった倉庫・物流業者の皆様。世界的な品不足やラインショートの危機のさなかにあっても、私たちを信じ、パートナーとして素材を採用し続けてくれたメーカーのお客様。相場の急騰により資金難に直面した時も私達の事業や社会的な使命を理解し、懸命に融資の増枠など、支援をし続けてくれた金融機関の皆様」と前置きをし、「皆様の情熱により、築き上げられたたしかな信頼関係こそがタックトレーディングが持つ唯一無二のそして最大の財産」と述べ、会場からは惜しみない拍手が送られていた。

上島社長
来賓として挨拶に立った神戸製鋼所の古矢義之鉄鋼アルミ事業部門原料部長はマグネシウムの歴史の大きな出来事として21年のマグネシウム・シリコンの価格急騰を挙げ、「中国の環境規制や電力規制を背景として工場の操業が停止し、価格は信じられないほどに高騰した。アルミ業界全体が、大きな混乱に直面したことを今でも鮮明に覚えている」と振り返り、「(当時)タックトレーディングの皆様は、終始冷静かつ的確に行動し、私たちのような原料使用者に対して、代替品の安定供給を継続してくれた。その結果、多くのメーカーは、生産を止めることなく、事業を継続することができた」と述べた。

古矢氏
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過去10年間のマグネシウム・フェロシリコンのFOB chaina相場
閉会の辞に立った上島会長はマグネシウムを取り扱うことになった経緯として「(過去に勤めていた三井物産のアルミ部門時代の上司に)『上島君、これからマグネシウムが面白いよ』と呟かれた。その後、ボスニアヘルツェゴビナ産の日本向け輸出の話が持ち込まれたことを契機に、大紀アルミニウムに納入したことが実際の取引のスタート」と当時を振り返った。
創業当初は、三井物産退職時に引き継いだマグネシウム販売(YKK向け10トン、UACJ向け30トン程度)から始まり、初年度決算はわずか7万円の黒字だったという
その後事業規模を拡大させ、現在に至った。
最後にタックトレーディングの黎明期を会計担当として支えた妻に「30年間どうもありがとうございました。これからも一つよろしくお願い致します」と感謝の念を述べ、会を締めくくった。

上島会長
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